“不眠大国”日本の睡眠課題を企業共創によって解決する――。
この目的を掲げて2022年9月に発足した企業間コミュニティが「ZAKONE」だ(参考記事)。
同年6月から、IoTやAI等のデジタル技術を活用して睡眠の状態を可視化し、睡眠の課題を解消するスリープテック事業を開始していたNTT東日本とその子会社のNTT DXパートナーが発起人となって設立。第一生命保険やエステー、長谷工グループなど14社でスタートしたが、1年で68社、そして2年で152社に拡大した。
NTT東日本で「ZAKONE」コミュニティ運用担当を務める佐々木翠氏によれば、当初の狙い通り、スリープテックを活用した製品/サービスの提供企業に留まらず、幅広い業種へとコミュニティが広がっているという。「起きている時間の行動も、睡眠の質に関与している。睡眠をサポートするだけでなく、快眠体験ができる場所を提供したり、快眠に向けた啓発を行う」企業も加入していると説明した。
ZAKONE内でのビジネスマッチングもこの2年で100を超えており、2024年8月22日に行われた発表会では、共創事業の一例が紹介された。長谷工グループとエステー、NTT東日本が手掛けた「快眠のための家」プロジェクトだ。
フルリノベーションした賃貸マンションに、ZAKONE参画企業が提供する製品/サービスを集めて快眠に特化した部屋を実現。住人のバイタルデータに基づいて住宅設備が連動し、快眠をサポートするIoT住宅を設計した。
例えば、NTT東と協業するブレインスリープが提供するウェアラブル端末で収集したバイタルデータを使って、睡眠状態と連動してスマートホーム機器を操作。調光照明や電動カーテンを自動制御する。
2024年1~3月にかけて長谷工グループ社員を被験者に効果を検証。睡眠の質が向上しているという結果が得られたという。