NTTドコモとNECは2023年2月22日、AWS上の5Gコアネットワーク(以下、5GC)とドコモの自社仮想化基盤上の5GCを接続したハイブリッドクラウド構成におけるキャリアグレードの基本冗長設計を完了したと発表した。両社によると世界初だという。
基本冗長設計を活用することで、5GCを自社仮想化基盤とパブリッククラウドの双方に柔軟に配備し故障時に切り替え可能となるため、ネットワーク安定性のさらなる向上が期待できるとしている。
加えて、NECが開発したソフトウェアベースのエッジコンピューティング用途の5Gのユーザー通信を扱う装置(以下、エッジ向けUPF)の基本的な機能を高性能かつ低消費電力なプロセッサであるAWS Graviton3(以下、Graviton3)を活用した環境において問題なく動作させることにも成功した。
この成功により、AWS上でもユーザー通信が利用可能であることが確認された。Graviton3 を活用した環境においてエッジ向けUPFの動作確認に成功したのは、世界で初めてだという。
将来的には、IoT用途のユーザーに対し、Gravitonを活用した5GCおよびエッジ向けUPFを合わせて提供することで、環境負荷が小さいネットワークの実現が可能となることに加えて、構築期間の短縮化によるサービス提供までのリードタイム短縮が期待できるとしている。
ドコモとNECは今後もAWS上での一連の検証結果を基に、ハイブリッドクラウド構成の5GCの各種課題の解決に取り組み、高可用かつ柔軟なネットワークの実現に向けた技術検討を推進していく。また両社は、これまでのトピックス検証結果と本設計により、性能を向上しつつ消費電力を削減したネットワークの実現に向けた課題解決に取り組み、環境に配慮し持続可能な社会にふさわしい5G時代に求められるネットワークの提供に向けた技術検討を推進するとしている。