NTTドコモとトヨタ自動車は2018年11月29日、5Gを用いたロボットの遠隔制御に成功したと発表した。約10kmの遠隔地間を想定した環境で、一部区間に5Gを活用し、トヨタが開発したヒューマノイドロボット「T-HR3」を制御した。
T-HR3は、家庭や医療機関などで、人々の生活を安全にサポートするパートナーロボットを目指して開発された。全身を操るマスター操縦システムなどにより、操縦者はT-HR3にかかる外からの力を感じながら、T-HR3に操縦者と同じ動きをさせることができる。
T-HR3のやさしく、しなやかな動きを実現するためには、T-HR3とマスター操縦システム間での通信遅延をなるべく少なくすることが求められるため、従来は有線接続で実験を進めてきた。
しかし今回、より実用性の高い環境での使用に向けて、低遅延性が特徴である5Gを活用した実験を行ったところ、「ボールを両手で挟んで持つ」「ブロックをつまむ、積み上げる」「人と握手をする」などの力の伝達が必要となる動作を、有線接続時と遜色ないレベルで行えることが確認できたという。
実験は、神奈川県横須賀市のドコモR&Dセンター内で実施された。5G区間以外で発生する通信遅延をセンター内で模擬するため、事前にお台場エリアと東京スカイツリー(押上)間の有線接続の遅延時間を計測し、その実測値を遅延負荷装置で加えている。
今回の取り組みのデモは、東京ビッグサイトで12月6日から2日間開催される「DOCOMO Open House 2018」(東京ビッグサイト)で披露される予定だ。
実験のイメージ