NTTは2018年11月6日、中期経営戦略「Your Value Partner 2025」を発表した。
NTT持ち株の澤田純社長 |
様々な社会的課題を解決し、スマートな社会の実現に向けて、以下の10項目を柱とする。すなわち、①B2B2Xモデルの推進、②5Gサービスの実現・展開、③パーソナル化の推進、④グローバル事業の競争力強化、⑤国内事業のデジタルトランスフォーメーションの推進、⑥PSTNマイグレーションの推進、⑦研究開発の強化・グローバル化、⑧不動産利活用、⑨地域社会・経済の活性化への貢献、⑩災害対策の取り組みだ。
中期経営戦略「Your Value Partner 2025」の全体像 |
③のパーソナル化の推進は、ドコモを中心にライフスタイルの変革をサポートするもので、2019年度第1四半期に実施を予定している携帯電話料金の「2~4割程度値下げ」も含まれる。
新たな料金プランについて、NTT持ち株の澤田純社長は「パッケージのような分かりやすいものにする。2~4割程度値下げというのはセグメント別によって異なり、最大4000億円の顧客還元もすべてのセグメントに平均的にというわけではない」と語った。
一例として、フィーチャーフォンからスマートフォンに変更すると、毎月の利用料金が「跳ね上がる」ため、それが移行のハードルとなっていると指摘。そうした不満の多いセグメントなどに顧客還元を投入する。また、「競合他社はセカンドブランドがあるので、思い切った値下げができない。ドコモは新料金プランで競争力を強化し、マーケットリーダーになるチャンス」とも述べた。
ただ、値下げによりドコモは2019年度に減益を見込んでおり、23年度に現状の利益水準まで回復する見通し。澤田社長は「減益をせずに値下げをするという話は、あまり値下げしないことと同義」とした上で、「持ち株として、利益回復を前倒しするよう支援したい」との方針を示した。具体的な支援策はこれから検討するが、グローバル調達会社にドコモが参画しやすくするといったことが考えられるという。