大阪・関西万博を運営する2025年日本国際博覧会協会(以下、博覧会協会)は2024年5月23日、万博会場において顔認証による電子マネー決済と、入場ゲートでの顔認証による追加認証を導入することを発表した。
この発表に合わせ、顔認証技術を提供するNEC本社で記者会見が行われた。
博覧会協会 企画局長の河本健一氏は、「未来社会の実験場」である万博では全面的にキャッシュレス決済を導入するため、原則として現金が利用できないと説明。利用できるのは、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済のほか、万博オリジナルのデジタルウォレットサービス「ミャクペ!」だという。
顔認証決済が利用可能なのが、このミャクペ!だ。万博会場内の全店舗(キッチンカーなど一部除く)に設置される決済端末「stera terminal」の内蔵カメラで顔情報を読み取り、客はカードやスマホを取り出すことなく、決済が完了する。stera terminalの設置台数は合計で約1000台。利用には事前にWebサイトでの顔情報と決済方法の登録が必要だ。
stera terminalはAndroid端末であり、NECの顔認証ソフトをインストールして利用する。担当者によると、顔認証決済にあたり同端末に合わせたソフトウェアの調整は行ったが、ハードウェアの改修は実施していないという。