900MHz帯に7者名乗り デジタルMCA跡地が2024年度にも利用可能に

デジタルMCAシステムの高度化に伴い解放される900MHz帯(845MHz-860MHzおよび928-940MHz)において、新たな無線システムの導入に向けた検討が進んでいる。

デジタルMCAシステムは一般財団法人移動無線センターが中継局を設置し、自治体のほか、運輸・運送業界、警備業界等の様々な免許人が利用している大ゾーン方式の自営網である。900MHz帯を用いることで、広範囲の通信エリアが構築できることや、他ネットワークと独立して輻輳しにくいことなどの特徴を持つ。1982年から国や自治体の災害対策用の無線、タクシー用無線などの音声通信用途で活用されている。一方、近年は音声通信だけでなくデータ通信も可能な高度なシステムへの需要が高まっていることや、将来は従来方式の機器調達などが難しくなっていく可能性も想定されることから、LTE方式を用いた「高度MCAシステム」の導入・移行が進められている。

7システムが検討対象に

周波数は限られた資源であり、国民共有の財産である。高度MCAシステムへの移行後を見据え、現在デジタルMCAシステムが利用している周波数の有効活用に向けて、数年前から調査や検討が行われてきた。

総務省では令和元年(2019年)度の周波数再編アクションプランにおいて、高度MCAシステムへの移行時期や、移行後の新たな無線システムの技術的条件の検討開始方針を示すとともに、同年12月からデジタルMCA跡地の全部または一部の周波数を用いて計画または想定している新たな無線利用について調査を行なった。

その結果、図表1に示す8システムの運営者が名乗りを上げた。ただし、楽天モバイル提案の携帯無線通信システムについては検討の対象外となった。「移動通信の標準化団体である3GPPでは検討対象の周波数帯を利用するための仕様が標準化されておらず、既存の基地局設備や携帯電話端末が対応していないなど、導入に向けた見通しが定かでなく、まずは提案者において標準化の見通しを明らかにすることが必要と考えられたため」と総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信課課長補佐の加藤智之氏は説明する。

図表1 デジタルMCA跡地に割り当てを希望した無線システム

図表1 デジタルMCA跡地に割り当てを希望した無線システム

現状は残る7システムを対象に、令和2年度と3年度に実施した技術試験の結果などを踏まえ、高度MCAシステムへの移行期間中に周波数を共用する段階的導入の可能性も含め、新たな無線システムの導入に向けた技術的条件等について検討が進められている(図表2)。

図表2 デジタルMCA移行後の周波数検討

図表2 デジタルMCA移行後の周波数検討

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