IIJ、食品関連業界向け「IIJ LoRaWANソリューション for HACCP温度管理」

IIJは2020年6月15日、HACCP(ハサップ)(※1)による衛生管理の義務化に伴い、食品関連事業者向けに、冷凍冷蔵庫や倉庫の温度を自動監視・管理するIoTソリューション「IIJ LoRaWANソリューション for HACCP温度管理」の提供を2020年7月15日より開始すると発表した。

同ソリューションは、温度センサー、LoRaWANゲートウェイ、温度管理アプリケーション、通信用SIMなど、通信用SIM、データ保存用のクラウドサービスなど、必要なシステムをサポートも含めてワンパッケージで提供する。


サービスのイメージ

Kiwi Technology社(以下kiwitec)の「Kiwi Sense the Future 温度管理パッケージ」とIIJのサービスを組み合わせて提供するもので、センサーで計測、収集した温度データは遠隔からスマートフォンやパソコンで確認できる。設定した閾値を超える異常を検知した場合は、メールやアプリ経由で通知を受けることが可能だ。

センサーは乾電池駆動のため電源工事が不要。また、センサーの設定、管理などはシステム側で行う。IIJが長年培った技術「SACM(※2)」を活用しており、ユーザーは機器の電源を入れるだけで利用が開始できる。HACCPにおいて重要な管理項目である温度管理を自動化することで、検温作業などの管理負担を大幅に軽減できるという。


設置イメージ

さらに、LoRaWANはオープン規格であるため、多様なセンサーに対応しており、ひとつのゲートウェイで数メートルから数キロ範囲のセンサーとの接続が可能。広範囲に点在する様々な種類のセンサーを一元管理でき、導入後、例えば振動センサーやGPSトラッカー、CO2センサーなどからのデータ収集等、他用途への拡張も容易に行えるという。

プランは、10ヵ所まで管理が可能なスタンダードプランと、20ヵ所まで管理できるプレミアムプラン2種類で、いずれも料金は個別見積。

スタンダードプランは、kiwitecのKiwi Sense the Future 温度管理パッケージ スタンダードに、データ通信用SIMやゲートウェイの管理システムなどIIJサービスを組み合わせて提供するもの。ボックス型温度センサー「LAS-603」が10台と、屋内型LoRaWANゲートウェイ「TLG3901BLV2」1台、温度管理アプリケーション利用料(5年間分)、クラウドサービス利用料(5年間分)が付く。温度が5分間隔で測定でき、1時間間隔でクラウドへデータを送信する。


スタンダードプラン

プレミアムプランは、kiwitecのKiwi Sense the Future温度管理パッケージ プレミアムに、データ通信用SIMやゲートウェイの管理システムなどIIJサービスを組み合わせて提供。こちらも温度が5分間隔で測定でき、1時間間隔でクラウドへデータを送信する。ボックス型温度センサー「LAS-603」15台、プローブ型温度センサー「LAS-604 V2」5台、屋内型LoRaWANゲートウェイ「TLG3901BLV2」1台、温度管理アプリケーション利用料(5年間分)、クラウドサービス利用料(5年間分)。


プレミアムプラン

※1 HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)は、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、微生物や異物混入等の危害が起きやすい要因(ハザード)を分析した上で、特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法。要な衛生管理基準として、先進国を中心に各国で義務化や奨励が進んでおり、日本でも2018年の6月に改正された食品衛生法により2020年6月に法令化された。完全義務化までの猶予期間は2021年6月までで、その後すべての食品事業者に対してHACCPに沿った衛生管理が完全義務化される。

※2 SACM(Service Adaptor Control Manager):IIJが開発した機器管理技術で、機器の自動接続、一元管理を可能にする。

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