富士通は2019年4月16日、生物調査などの事業を手掛ける沿海調査エンジニアリングと連携し、IoTを活用したウニ・ナマコの陸上養殖の実証実験を、北海道古宇郡神恵内村において本格的に開始したと発表した。
富士通が提供する養殖管理システム「Fishtech養殖管理」を使用し、「IoTを活用した高品質なウニ・ナマコの効率的な陸上養殖手法の開発」、「ウニ・ナマコの陸上養殖におけるIoTを活用した環境制御ノウハウの蓄積」を目的に実験を行う。
各社の役割については、富士通は養殖管理システムの構築・運用、沿海調査エンジニアリングは養殖管理システムへのデータ入力、各種センサーの提供・運用となっている。
実験では、飼育者がウニ・ナマコの種類や養殖開始日、個体数などのデータをPCやモバイル端末から養殖管理システムに入力。養殖水槽に入れた日付ごとにロット管理を行い、給餌や出荷などの作業状況も登録してデータを蓄積する。蓄積したデータはトレーサビリティ情報としても活用できるという。
Fishtech養殖管理 システム構成図
また、各種センサーやカメラと養殖管理システムを連携させることで、水温、水の濁り度合い、塩分濃度などのデータや水槽内の映像をPC・モバイル端末からリアルタイムに確認できる。センサーの収集値が設定した閾値を超えた際に、メールや管理画面上で通知する機能も備える。
水槽内の映像のモニタリング画面
養殖管理システムでのデータ参照画面
両社は今後について、より効率的な養殖事業の確立に向けて、データ分析にAIを活用するなどの機能強化も検討するとしている。