IDC Japanは2021年2月15日、国内産業用ネットワーク機器市場予測を発表した。
国内産業用ネットワーク機器市場 売上額予測、2019年~2025年 |
工場、プラント、輸送機械といった一般的なオフィスとは異なる環境で用いられ、耐環境性能の高い産業用ネットワーク機器は、近年IoTの進展やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進とともに導入が進展してきた。
しかし、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響から免れることができず、2018年、2019年と2ケタ成長を続けた同市場も、2020年は2.2%とわずかな成長にとどまった。感染拡大に伴う経済活動の停滞は、工場やプラントのネットワーク化の検討や導入にも影響し、産業用ネットワーク機器の配備に遅れが生じた。また、鉄道など感染拡大に伴って業績が著しく悪化した産業分野や企業においては、産業用ネットワーク機器を含む設備投資を抑制する動きも見られ、2020年の国内産業用ネットワーク機器市場の停滞の大きな要因となった。
産業機器のネットワーク化が進む中で、産業用ネットワークの重要性と複雑性は増しており、ネットワーク管理の必要性が高まっている。「産業用ネットワーク機器ベンダーは、産業用ネットワーク管理ソリューションの強化を、ネットワーク自動化/高度化とネットワーク管理促進の両面からアプローチすべきである。前者には、自律的回復力を備えたネットワーク自動化ソリューションを提供し、後者には無償化したネットワーク可視化ソリューションが有効である」とIDC Japan コミュニケーションズのグループマネージャーである草野 賢一 は述べている。