AIエッジコンテストをOKI開催 1位は「視線シミュレーションAI」

クラウドを中心に展開されてきたAIをエッジに拡張し、企業や社会の課題解決を図る――。こうしたビジョンを実現するため、OKIが2019年に市場投入したのがAIエッジコンピューター「AE2100」だ。

AIエッジの取り組みのキーとなるのがパートナーとの協創である。AE2100を用いてAIソリューションの開発などに取り組む「AIエッジパートナー」は現在102社。

AIエッジ・カンファレンス&ソリューションコンテストは、AIエッジビジネスの拡大を目的に昨年から開催されているもので、今回はパートナー企業22社がコンテストにエントリー。9月にオンラインで行われた予選を通過した9社(予選通過は10社、うち1社が辞退)が、12月の本選に臨んだ。

イベントは東京都内の会場とオンライン(YouTube)で実施された。コンテストに先駆けて行われたカンファレンスで挨拶したOKI 専務取締役執行役員 ソリューションシステム事業本部 本部長の坪井正志氏は、OKIのAIエッジ戦略を説明した上で、今後のAE2100の展開に言及。2022年度にBTOモデルの展開を開始し、CPU/GPUやメモリ、ストレージ、I/Oの構成など3万5000通りのカスタマイズを可能にすることを明らかにした。

OKIが300社を対象に実施したモニター調査では、回答者の85%がAE2100を「自社ソリューションに使いたい」と回答した一方、ニーズが多様で限られたモデルでは対応できないことが分かったという。インテルの新VPUの搭載により、AI推論性能を現行機の8.4倍に向上させる次期AE2100の開発も進められている。

OKIのAIエッジ戦略を説明する専務取締役執行役員 ソリューションシステム事業本部 本部長の坪井正志氏
OKIのAIエッジ戦略を説明する専務取締役執行役員 ソリューションシステム事業本部 本部長の坪井正志氏

続いて行われた基調講演には、AE2100にCPU/GPUを提供しているインテル 代表取締役社長の鈴木国正氏が登壇。同社がSuperpowersと呼んで重視している4つの要素である「クラウド」「コネクティビティ―」「AI」「インテリジェント・エッジ」を中心に、デジタル化とインテルの取り組みに解説した。

グーグル・クラウド・ジャパン 上級執行役員 カスタマーエンジニアリング部門担当の小池裕幸氏とOKIでエッジAI事業を所管するIoTプラットフォーム事業部事業部長の西田慎一郎氏によるパネルディスカッションも行われた。モデレーターはテンソル・コンサルティング 取締役会長の藤本浩司氏が務めた。

それぞれクラウドとエッジでのAIの動向を報告したが、主要な話題の1つとなったのがAE2100を活用した「外観異常判定システム」。OKIが2月のリリースを予定する、グーグルの解析エンジン「Visual Inspection AI」を利用したソリューションだ。AIの専門家のいない製造現場でも、製品にキズがあるかどうかを判別するシステムを容易に構築・運用できるという。

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