インターネットイニシアティブ(IIJ)は、1枚のSIMカードで国内2キャリアに接続可能な「マルチプロファイルSIM2.0」を開発した。
同SIMはNTTドコモとKDDIの両キャリアに接続でき、モバイル通信網に障害が発生した場合のキャリア冗長のほか、エリアの電波強度や回線状況に応じて柔軟に通信キャリアを切り替えることができ、IoTデバイス通信の信頼性向上を実現するという。
IIJでは、1枚のSIMに2つの通信プロファイルを格納した「マルチプロファイルSIM」を2022年に開発し、翌年から提供している(参考記事)。単一のSIMスロットしか持たないIoTデバイスでも通信の冗長化を実現できることが評価されてきたが、プロファイルを切り替えた際にローミング回線を使用するため、大容量通信発生時の通信コスト増が導入の障壁となっていた。
そこで、今回開発したマルチプロファイルSIM2.0ではドコモとKDDIのモバイルネットワークへの直接接続を可能にした。ローミングを使用しないため、いずれのプロファイルで大容量通信を行ってもコストを抑制し安定した通信を行えるという。また切り替えプログラムを用いることで、エリアごとに最適なキャリアの通信プロファイルに切り替えることもできるとしている。
同SIMは2025年度中に商用サービスとして提供を開始する予定。ユーザーから要望の多い閉域網接続機能も提供を検討するとしている。