Jストリーム、朝日ネット、ファイバーゲートの3社は2025年2月27日、CDN技術を活用したインターネットトラフィック分散に関する共同実証実験を4月より開始することを発表した。
実験の主な目的は2点あり、まずデータ通信量の増大に適応する通信アーキテクチャの検証がある。キャッシュサーバーの分散配置による、インターネットトラフィックの最適化を検証する。
もう1つの目的は東京圏-地方間のデータ量圧縮とパフォーマンス向上だ。都市圏に集中するデータセンターの現状を踏まえ、地方ユーザーの通信遅延改善策を検討する。
実験に先立ち、小型キャッシュサーバーを開発し、ファイバーゲートが管理・運営する建物内ネットワークに設置して小規模キャッシュシステムを構築する。実証実験では同システムを活用し、東京圏と地方間のデータ通信抑制と配信パフォーマンスの検証を行うという。
同実証実験において、CDN事業者であるJストリームは小型キャッシュサーバーのソフトウェア開発・提供とオペレーションを担う。VNE(Virtual Network Enabler)事業者の朝日ネットは小型キャッシュサーバーの開発およびネットワーク提供・運用を、札幌市に拠点を置くISP事業者であるファイバーゲートは小型キャッシュサーバーの設置スペース・電力の提供と、建物内ネットワークの提供および運用保守をそれぞれ担当する。
3社はこの取り組みを通じて、システムのパフォーマンス、信頼性、負荷分散、通信遅延などに関する知見を蓄積し、次世代のより良いコンテンツ配信へと活かすとしている。