ソフトバンクは2024年9月5日、特殊なガラスフィルムをスマートフォンの画面に貼るだけで裸眼で3Dの写真や動画が楽しめるサービス「トビデル」を、9月6日に開始すると発表した。
これは、2020年3月の5Gサービス開始に合わせてソフトバンクが社内に設立した「5G LAB」から生まれた新サービス。5G LABはこれまでもXR、スポーツ、メタバース等のコンテンツを提供してきた。
新開発した3D保護ガラスをスマホに貼り付け、写真・動画を専用アプリで表示させると裸眼で3D視ができる。このとき、アプリに搭載された2つのAI技術がキーになる。まず、深度推定AIモデルが、2Dの写真・動画から深度情報を推定し、3Dコンテンツに変換する。次に、その3Dコンテンツを見る際に、AIアイトラッキング機能がインカメラで得た情報からユーザーの目の位置を検出し、3D表示を最適化することによって、よりクリアな立体視を可能にする。
3D保護ガラスの表面を触るとざらついて感じられるが、これはガラスに組み合わされたレンチキュラーレンズによる。レンチキュラーレンズとは、微細な凸レンズをシート状に並べたもの。両眼の視差を利用し立体視を起こすことができるため、3D印刷に利用されるほか、VRゴーグルや3Dディスプレイにも使われている。同サービスでは、アプリで3D変換された写真・動画を保護ガラス上のレンチキュラーレンズを通して見ることで、ユーザーは立体感を感じることができる。3D保護ガラスは、通常は一般的なスマホ保護ガラスとして利用できる。
3D保護ガラスの価格は7200円。全国のソフトバンク取扱店および公式オンラインショップで販売する。9月6日のサービス開始当初、ガラスの対応機種はiPhone 15 ProとiPhone 15に限られるが、順次拡大する予定という。また、アプリはまずはiOSのみに対応するが、Android版の開発も進めているという。同サービスはキャリアフリーであり、ソフトバンクユーザー以外でも利用できる。