インテルは2019年6月20日、報道関係者を対象とした事業戦略説明会を都内で開催。米インテル本社 上席副社長兼ネットワーク&カスタム・ロジック事業本部長のダン・マクナマラ氏がネットワーク、プログラマブルソリューション事業の今後の展開について説明した。
説明会ではまず、インテル日本法人の代表取締役社長である鈴木国正氏が、日本における事業展開について、「新たにコーポレート戦略チームを立ち上げ、顧客・パートナーとともに、デジタルトランスフォーメーションによる新たな新ビジネスの創出を進めていく。すでにいくつかの会社とPoCを越えた実事例が生まれてきている」と紹介。
そのうえで、「インテルはAI、5G、オートノマスシステムなどのテクノロジーの変革を牽引しており、顧客のビジネスの成功に大きな役割を果たしていきたい」と抱負を述べた。
特にAIについては、「日本でもここ2年で市場が倍増し、今後も同様の伸びが見込めると考えている。政府も国家戦略としてAI活用を推進しており、インテルとしてもあらゆる形でこの分野に携わっていきたい」と意欲を見せた。
(左から)インテル 代表取締役社長 鈴木国正氏、米インテル 上級副社長兼ネットワーク&カスタム・ロジック事業本部長 ダン・マクナラ氏、NECシニアエクゼクティブ 渡辺望氏 |
こうした取り組みは、インテルが推進している「PC中心」から「データ中心」のビジネスへの変革の一翼を担うものだ。
続いてプレゼンテーションを行ったマクナマラ氏は、この事業変革について次のように述べた。
「インテルはここ5年ほど、大きな成長が見込めない市場でシェアを守るのではなく、成長の可能性の高いところにシフトし、技術投資や製品ポートフォリオをネットワーク、データセンター、IoTなどの成長分野に向けてきた。5年前とは根本的に違う会社になっている」
「データ中心分野」へのシフトで事業機会の拡大を図るインテル
2018年時点のPC向けCPUの市場規模は350億ドル。これに対して、データセンター、ネットワーク、IoTの「データ中心分野」では年平均7%の成長が見込まれており、2023年には2200億ドルの市場に育つとインテルは予想している。
ネットワーク事業とFPGA事業の組織を統合し、新たに設立されたネットワーク&カスタム・ロジック事業本部は、このデータ中心分野にフォーカスしているのだ。