AIが企業ネットワークのトラブルを勝手に解決

今、ネットワーク担当者は監視すべきデータ量の増加に頭を悩ませていることだろう。DX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれ、企業は様々な新しいITシステムを構築・利用するようになった。VRのような広い帯域幅を必要とするソリューションも増えており、ネットワークのトラフィック監視の重要性が増している。また、仮想マシンやコンテナなど仮想環境上で動くサービスも増えたため、もはやハードウェアを監視するだけでは十分ではない。その上の仮想環境も監視する必要がある(図表1)。

図表1 企業が可視化・制御しなくてはいけないデータ

図表1 企業が可視化・制御しなくてはいけないデータ

セキュリティの観点からも、ネットワーク監視は課題に直面している。新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が一気に広がった。また、利用するSaaSの種類もかつてと比べると格段に増えている。「アクセス先もアクセス元も多様化している」とシスコシステムズ 執行役員 エンタープライズネットワーキング事業担当の眞﨑浩一氏は指摘する。

こうした環境でネットワーク品質やセキュリティを保つためには、デバイスからアプリケーションまでのネットワークをエンドツーエンドで監視し、制御しなくてはならない。

そのためには膨大なデータを扱わなくてはならないが、従来の死活監視のような考え方で1つ1つのKPIに固定された閾値を設けて監視するのは非効率だ。そこで有効なのが、AI技術である。

ジュニパーネットワークス 技術統括本部 テクニカルビジネス推進本部 本部長の上田昌広氏は「今までは数十程度だった監視項目が、今後は数千項目くらいになっていく。こうなると人間の目や手を使ってではなく、AIを使って監視・分析しなくてはならない」と強調する。

無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。