孫社長が“大泣き”した理由「AIは全人類の叡智を総和したレベルの少なくとも1万倍になる」

ソフトバンクグループ 代表取締役会長兼社長 孫正義氏

「反転攻勢」を宣言する、ソフトバンクグループ 代表取締役会長兼社長 孫正義氏

ソフトバンクグループは2023年6月21日、定時株主総会を開き、孫正義会長兼社長がプレゼンテーションを行った。

「AIによる革命がいよいよ爆発的に大きくなりそうだ、とひしひしと感じている」。冒頭、ChatGPTの登場によって、AI革命は新たなフェーズに入ったとの認識を示した孫氏が、続いて披露したのが自身のエピソードだ。

昨年10月、孫氏は、これまでのビジネス人生を振り返り、「この程度で終わっていいのか」と大泣きしたという。「自分は何を一番したいのか。本当は、人類の未来を設計するアーキテクトになりたかったんだ。僕自身の力は足りないかもしれないが、いささかでも果たすことができれば、絵を描いている途中で死んだとしても、それが一番ワクワクドキドキすることだ」

この“大泣き”を機に、経営者としての責任を果たすための左脳を中心とした活動から、発明というクリエイティブな右脳を中心とした活動へシフトしたという孫氏。この約8カ月という短期間に、個人で630件もの発明を行ったという。

「特許事務所が1つでは足りなく、5つの特許事務所が私個人のために活動している」「大半は駄作だか、中には自分でもびっくりするような発明がある」「クリエイティビティの方で私の頭は幸せいっぱいだ」などと熱っぽく語った。

孫氏のクリエイティビティに火を点けているのは無論、ChatGPTに代表されるAIの進化である。「世にないものを理論的に、具体的に作れるということで発明になる」。孫氏はGPT-4を毎日、ディベートの相手、アイデアの壁打ちの相手としても使っているという。

発明の中心も当然AI関連である。「僕の個人的な発明のそれなりの数は、AIの感情エンジンがらみのもの。AIに理性を持たせることについては、10年前にPepperに取り組み始めたときから考えてきた」などと、その一端を明らかにした。

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