電子部品や車載機器を製造するアルプスアルパインは2024年4月23日、横浜・みなとみらい地区で5GおよびWeb3技術の社会実装実験を行うと発表した。
実験は今年5月から7月を目途に、フリービットグループが運営する複合施設「LIVINGTOWN みなとみらい」で開始する。
同施設においてローカル5G SA環境を構築し、各エリアに設置する設備やモデルハウス内の IoT機器等を通して、住宅、仕事、モビリティ等の分野において、スマートホームやスマートタウンを実感できる体験型の検証を行うとしている。
アルプスアルパインは2023年3月、フリービットとWeb3.0ビジネスモデル構築に向けた資本業務提携契約を結んでいる。フリービットグループは、フリービットがIoT、次世代通信やブロックチェーンの技術を、その子会社であるギガプライズが通信インフラのノウハウを有する。この提携により、アルプスアルパインは車載向けの製品開発で培った通信技術をモビリティ分野に限らずIoTや住宅空間などにも広げており、この実験を通じて5G・Web3 分野での技術連携を強化していくという。
また、ローカル5G SA環境の構築は、NECネッツエスアイと連携して行う。この環境は、同施設で他事業の実証実験を希望する機関や事業者にも提供するという。
具体的な実施内容として、次の4分野が挙げられている。
・「車」分野
車載器で動作するレイヤ1ブロックチェーンや、ローカル5G SA MECを利用したエッジコンピューティングをブロックチェーンに組み込む検証を行う。
・「モバイルLLM分野」
フリービットが発表した、スマートフォン上で動作するエッジLLM(大規模言語モデル)を、ローカル5G SA MEC上で動作させる実験を行う。
・「仕事」分野
ローカル5G SA環境をアルプスアルパインが提供するCPEと連携させ、Wi-Fi環境に変換し無料インターネット接続を提供する実験を行う。
・「住宅」分野
エリア内に設置された通信基地局とアルプスアルパインが提供する独自CPEを連携させ、ローカル5G SA 接続環境と公衆無線LAN・カメラ・センサー等を搭載した次世代街灯「Smart Pole」の通信環境を変換したうえで、生活空間において安全安心を見守るセンサーを提供する実験を行う。
各社の役割分担は下表の通り。