「B2CからB2Bへの領域へ――。京セラの(携帯)通信事業はここ1年で、大きく舵を切って事業転換を進めてきた」。2024年6月18日に開催された携帯通信事業説明会で、京セラ 執行役員 通信機器事業本部 本部長の鈴木克彦氏はこう述べた。
京セラは2025年3月期を以って、コンシューマ向けスマホの供給・販売を終了すると発表している。今後は法人向けスマホやタブレットなど、B2B領域に注力していく計画だ。また、2024年3月期の法人売上比率は63%。前年同期(58%)と比較して5%上昇している。2025年3月期には同比率を75%まで高めていきたい考えだ。
「TORQUE G06」や「DuraForce EX」などの高耐久スマホ(ラグ端末)は、2024年4月時点で累計1300万台の出荷台数を誇り、この実績が法人売上比率を引き上げる要因になっているという。
今年10月からは法人向けスマホ「DIGNO SX4」を、今年秋以降には法人向けタブレット「DIGNO Tab2 5G」を販売開始する。
DIGNO SX4は、医療機関などで自営PHSの置き換えとしてのニーズが高い「sXGP」に対応し、泡ハンドソープでの洗浄や、マスク着用時でも顔認証が行えるスマホになっている。Wi-Fi環境のみでの使用に最適なスマホ「DIGNO SX4 Wi-Fi」も用意する。
DIGNO Tab2 5Gには、マイナ保険証読み取りやクレジットカード決済などの機能が集約されており、「それぞれの専用端末が不要になる」と同事業本部 通信事業戦略部 コ・クリエーションビジネスユニット 責任者の原田正夫氏はアピールした。
今年7月より、法人向けスマホ補償サービス「Flex」も提供開始する。月額サブスクリプション型のサービスで、自然故障に加え、落下や水没などによる物損故障にも対応するという。同年8月からはWeb上より申し込みが可能になる。
また、「初期コストを抑えて端末を使用したいというご要望にお応えするため、デバイスのレンタルサービスも2025年春以降に計画している」(同部 部長の與那嶺徳弘氏)という。