アマゾン ウェブ サービス ジャパンは2024年7月22日、記者発表会を開催し、「生成AI実用化推進プログラム」を開始すると発表した。
生成AIを業務に活用する動きが活発化するなか、同社は2023年7月、国内に法人または拠点を持つ企業・団体の大規模言語モデル(LLM)開発を支援する「AWS LLM開発支援プログラム」を開始。NTTや松尾研究所、リクルートなど17の企業・団体に対し、LLM開発を行うための計算機リソース確保に関するガイダンスやAWS上でのLLM事前学習に関わる技術的なメンタリングなどに加えて、最大600ドルの支援を行った。
「昨年まではLLMを作ることを支援してきたが、今年はさらに一歩進み、実際に作ったテクノロジーを業務に活用したり、社会に実装することを支援していく」とアマゾン ウェブ サービス ジャパン 執行役員 サービス&テクノロジー事業統括本部 統括本部長の安田俊彦氏は語った。
生成AI実用化推進プログラムは、目的に合わせて2通りの支援を提供する。
1つめが、基盤モデルの改良・新規開発によるアプローチだ。昨年のAWS LLM開発支援プログラムの延長線上に位置付けられるが、同プログラムの参加者から「データを集めることが難しい」「実際にモデルを適用する際に課題がある」といった声が寄せられたことから、モデル開発に取り組む企業・団体に対し、技術的なサポートや計算リソースの確保に加えて、AWSパートナーとの協業マッチングやユーザー企業との協業機会の創出も支援する。
2つめが、すでに公開されているモデルの活用によるアプローチだ。モデル利用企業・団体に対し、設計方針の策定、カスタマイズ、AWSパートナーによるコンサルテーション、運用・保守などのサポートを行うことで、新たな価値の創出や課題の解決につなげる。
いずれのアプローチも「ディスカッションを通じてゴールを定め、その達成に必要な要素、足りない要素を明確化し、足りない要素を埋めるための支援を受けられるのがメリット」とアマゾン ウェブ サービス ジャパン サービス&テクノロジー事業統括本部 技術本部長の小林正人氏は説明した。