シンガポールテレコム(シングテル)と日立製作所は2024年8月26日、日本およびその他のアジア太平洋地域における次世代データセンター(DC)およびGPUクラウドの構築に関する戦略的提携に合意したと発表した。
今回締結した覚書の対象となる主な分野は以下の通り。
1.生成AI需要に応えるため、次世代DCに関する協業を検討
シングテルの地域DC部門であるNxera(ネクゼラ)と日立製作所は、日本およびその他のアジア太平洋地域でDCを開発する機会を調査・検討する。高効率で高品質なDCマネジメントを通じ、スマートかつ環境に配慮したサステナブルなDCの運用の実現を目指し、DCの設計・構築・運用に関するNxeraの専門知識と、DCに特化した機器の製造・提供、次世代エネルギー・ソリューション、さらにはDC環境での安定稼働を支える高度なITシステムの運用管理に関する日立の専門知識を活用していくとしている。
Nxeraは、シンガポールでの62MWの既存容量に加え、アジア太平洋地域で総容量200MWを超えるサステナブルで接続性の高いAI向けDCのプラットフォームを開発している。
2.両社のGPUプラットフォーム、AIノウハウを組み合わせた環境で企業向けアプリケーションを開発
日立製作所は、シングテルの「GPU-as-a-Service(GPUaaS)」を社内のAIアプリケーションやAIワークロードに利用することを検討。まず、社内で高性能な機械学習や生成AIなどのデジタル技術・ソリューションを強化するため、シングテルのサービスを利用して効果を検証するという。そのうえで、顧客向けのサステナブルな目標を促進する電力効率の高い設計・運用方式を確立するとしている。
また両社は、顧客のAIシステムの開発・実装にかかる時間や管理コストを削減することを目的に、上記検証結果を活用し、日立製作所の生成AIの技術やプラットフォームも含めたノウハウと、シングテルのGPUクラウドやオールインワンオーケストレーションプラットフォーム「Paragon」を組み合わせ、エンタープライズアプリケーションを共同開発することも検討していくとのこと。