シスコ、エッジでのエージェント型AI推論を実現する新基盤「Unified Edge」発表

シスコシステムズは、エージェント型AIやフィジカルAIなどの分散型AIワークロードを実行するための新プラットフォーム「Cisco Unified Edge」を発表した。データセンターの処理能力をエッジに拡張し、データ生成地点でのリアルタイム推論やアプリケーション実行を可能にする基盤として位置付ける。

シスコの発表によると、企業データの大半がエッジで生成・処理されるようになるなか、AIワークロードは学習中心からリアルタイム推論へ移行しつつあるという。エージェント型AIはチャットボットの最大25倍のネットワーク負荷を生むとされ、従来のデータセンターでは要件を満たしにくくなっている。同社は、AIモデルと推論基盤をデータの近くに配置する重要性が高まっていると説明する。

Unified Edgeは、コンピューティング、ネットワーキング、ストレージを単一の筐体に収めたエッジ最適化プラットフォームで、リアルタイム推論に必要な性能をモジュール構成で提供する。CPU/GPUの柔軟な構成、冗長電源・冷却、SD-WANを含むネットワーク統合などを備え、エッジ領域のアプリケーションから将来の高負荷AIワークロードまで対応するとしている。

運用面では、ゼロタッチ展開や事前検証済みのブループリントにより導入を簡素化。Cisco Intersightでの一元管理に加え、SplunkやThousandEyesとの連携により、エッジからコアまでのオブザーバビリティも確保する。

セキュリティ面では、デバイスレベルからゼロトラストを組み込んだ多層防御を採用し、設定ドリフトの排除や監査証跡の提供など、エッジ特有のリスクに対応する。

同社は小売、製造、金融、医療など各産業と連携し、現場環境に対応した設計を進めてきたと説明。店舗でのAI推論や銀行支店での安全なデジタルサービス提供など、リアルタイム性が求められる業務での利用を見込む。

Unified Edgeはすでに受注を開始しており、年内に一般提供する予定。

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