通信事業者が管理するネットワークやシステムは、SDN/NFV/SD-WANやマルチクラウドなどによって複雑化している。さらに今後は、5GやIoTへの適応によってデータ量が爆発し、新しい通信技術とサービス多様化への対応がますます求められる。
そうした状況にもかかわらず、「未だにサイロ化されたシステム環境、属人化された運用体制に悩まされている通信事業者は少なくありません」と指摘するのは、マイクロフォーカスの田中健介氏だ。
「例えば、ネットワークで障害が発生するとExcelで作った台帳を開いて、どのサーバーやルーターで不具合が起きているか、影響範囲はどこまでかを確認する等、手作業に多くを頼っているのが現状ではないでしょうか。5GやIoTでデータ量が莫大になる今後、こうした従来型の運用管理は、膨大な数のアラートとそのための無駄な対応作業で限界を迎えます。運用管理の自動化を始め、企業はITSM/ESMを含めた標準的で統合的な運用管理体制を構築する必要がある。我々はレガシー環境と新しい環境を横断して、運用の標準化・自動化まで幅広くお手伝いできる唯一のベンダーです」
マイクロフォーカス 営業統括本部 第一営業本部 アカウントマネージャー 田中健介氏
マイクロフォーカスという社名は、日本ではあまり聞き慣れないかもしれないが、イギリスに本社を置く世界トップクラスのソフトウェアベンダーだ。2017年に、運用管理者なら知らない者はいない、HPEのソフトウェア部門と統合した。大規模システムの運用管理者には馴染み深い「HP OpenView」譜系の統合監視、ネットワーク管理製品も、現在はマイクロフォーカスのポートフォリオの主要な一部となっている。
ポートフォリオと歴史が証明する総合力マイクロフォーカスは前述の通り、世界有数のソフトウェアベンダーだ。通信業界に多くの実績があり、複雑なハイブリッド環境や、レガシーと次世代環境の横断的な標準化、統合管理を得意としている。End To Endに可視化された情報により、ユーザーはサービス視点で迅速な運用を実現できる。
「当社には数百種類の製品があります。点で優れているソフトウェアベンダーは沢山いますが、これだけ広い製品カバレッジがある会社はほとんどありません。今まで通信事業者のお客様はサイロ型でソリューションを導入・運用してきましたが、我々なら幅広いポートフォリオで統合し、標準化を実現できる。我々のシステムは非常に歴史が長く、エンタープライズ企業での実績も十分にあります。システム同士の連携も考慮され、既存環境との連携も容易です。これまでの投資が無駄にならないよう、既存環境を活かしたご提案も可能です」(田中氏)
Public Cloud、Private Cloud、オンプレミス環境全体を運用・管理(クリックで拡大)
RPAとAIを従来の運用に追加して、さらなる運用の高度化運用管理の自動化と一口に言っても、何から手を付ければいいのだろうか。マイクロフォーカスが、その第一歩として例に挙げる1つがRPA(Robotics Process Automation)による人手作業の自動化だ。さらにデータレイクによるデータの集約・活用と、AIによる予測運用管理の高度化など、次世代における通信事業者の運用管理のあるべき姿について、次ページで具体的に見ていこう。