5G/IoT時代は、あらゆるモノがインターネットに繋がることで日々膨大なデータが生成される。収集したデータはまず可視化する必要があるが、目的によって表やグラフなど最適なフォーマットは異なる。その中で今注目なのが「地図」だ。
ソフトバンクは今年5月に開催した法人事業説明会で、米Mapboxとのジョイントベンチャー、マップボックス・ジャパンの設立を発表した。Mapboxが提供するのは、地図情報サービスの開発プラットフォームだ。地形や建物、航空写真などのAPIや、地図のカスタマイズを実現するSDKなどを提供している。Mapboxの地図データはユーザーのスマホなどから送信される情報をもとに、5分ごとに更新されている。日本ではベースとなる地図データをゼンリンが提供しており、地図の精度の高さも折り紙つきだ。現在、Mapboxを利用して開発された地図サービスのグローバルでのマンスリーアクティブユーザー数は6億人、開発者人口は200万人超にのぼる。人気の理由は、前述の更新頻度の高さに加え、カスタマイズが簡単で自由度が高いことにもある。
図表 基礎的な地図に様々なデータ、企業が持つデータを載せ、独自の地図を作成
「実は地図のデザインを変えるのは意外と難しく、普通のエンジニアではなかなか調整しづらいところがある。我々のサービスでは簡単にデザインを変更したり情報を付与できる管理UIなどを用意しており、それを使えばハイレベルなエンジニアでなくともオリジナルの地図を作ることができる」とマップボックス・ジャパン CSO(取材当時、現在はCEO)の高田徹氏は説明する。
マップボックス・ジャパンの高田徹氏
ユースケースは多岐にわたる。グローバルではSnapchatやTwitter、FacebookなどのSNSから、UberやLyftなどのライドシェアをはじめ、政府、農業、ドローン、不動産、流通、旅行サイト、スポーツ、メディア、天気、ヘルスケア、災害マップ、通信会社でも基地局の整備状況や5Gのカバレッジなどの可視化に利用されているという。日本ではPayPayやYahoo!JAPANなどが採用している。