北米で2018年に世界初の5G商用サービス(FWA:固定無線アクセスとして)が開始されてから約4年、2022年末には世界の5G加入数は10億に到達する。
2022年12月22日に、「エリクソン モビリティレポート」の最新版(2022年11月発行)に関する記者説明会を開催したエリクソン・ジャパンCTOの藤岡雅宣氏によれば、これは「4G/LTEに比べて2年も早いペース」だ。2009年を起点とする4Gが10億加入に達したのは6年後。5Gの普及ペースは速い。
モバイルサービスの主力は現在もLTEであり、現在の加入数は52億。5年後にはこれが逆転し、「2028年に5G加入は50億となり、モバイル加入数の過半に達する」とエリクソンは予測している。
このように順調に伸びる5Gだが、5Gを特徴づける技術要素やサービス内容ごとに分析すると地域による差異や今後のトレンドが見えてくる。以下、エリクソン モビリティレポートの注目点を見ていこう。
1つめが、5G SA(Stand Alone)だ。
日本では2021年後半から2022年にかけて、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの主要3事業者が5G SA(Stand Alone)サービスを開始した。
5Gのポテンシャルを最大限に発揮するためには、5Gコアネットワークを使用するこのSA化が必須であり、世界各国でNSA(Non Stand Alone)からSAへの移行が始まっている。だが、そのスピードにはかなりばらつきがある。リードしているのは中国と米国。そして、5G展開では“後発組”となるインドや東南アジアだ。
上は、5G NSAが支配的な(dominating)地域を赤、SAが支配的な地域を緑で示したもの。SAで5Gを展開する中国、NSAからSAへの移行で先行する米国と、他の地域との差が明確に見て取れる。
また、点の数こそ少ないものの、2022年10月に5Gの商用サービスを開始したインド、そして成長著しい東南アジア地域でもSAサービスの展開が進んでいることがわかる。