ヤンマーマルシェとNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は2024年1月29日、NTT Comが「水稲栽培における中干し期間延長の方法論」を用いたプロジェクトとして初めてJ-クレジットの認証を取得したことを受け、J-クレジットを本日より販売開始すると発表した。生産者の新たな収益源の獲得に向けた取り組みを本格的に始める。
農林水産省では、持続可能な農業の実現に向け、「みどりの食料システム戦略」を掲げており、その戦略の一環として2023年3月に「水稲栽培における中干し期間延長の方法論」を策定している。
ヤンマーマルシェとNTT Comは、この方法論に準拠したお米の栽培に取り組み、温室効果ガスの排出量削減や、創出されたJ-クレジットの流通による新たな農業モデルの構築を目指している(参考記事:IoTでカーボンクレジット創出 NTT Com、ソフトバンクが参入|BUSINESS NETWORK)。NTT Comが提供するIoTセンサーやアプリを使用してJ-クレジット申請における生産者の管理負担を軽減するとともに、ヤンマーマルシェが営農支援と収穫したお米のブランディング支援を行う。
2023年は、福井県・滋賀県の5軒のパートナー生産者のほ場で、多収・良食味米「にじのきらめき」を対象に中干し期間の延長を行い、J-クレジットの創出と品質の調査を実施した。
J-クレジットの販売については、カーボンオフセット活動に取り組む企業への直接販売や、東京証券取引所での販売などを検討している。
「水稲栽培における中干し期間延長の方法論」を用いて栽培・収穫したお米は、NTTドコモが運営するdショッピングにて2024年4月を目途に販売開始予定。また2024年3月に、都内を中心にオフィス向けフードサービスを提供するStoryCrewと共同で、このお米を使用したお弁当を期間限定で販売することも予定している。販売するお弁当にはアンケートを付帯し、エシカル消費に関する実態調査を実施する。
今後は福井県・滋賀県に加え、青森県や新潟県、島根県など、「水稲栽培における中干し期間延長方法論」を用いた農法を全国のパートナー生産者に展開し、温室効果ガス排出量の削減に取り組むとしている。