高速NWはローカル5Gじゃなくても作れる! 「キャリア5G×Wi-Fi 6」という現実解

オフィスや工場をはじめ、様々なビジネスの現場で新たな無線ネットワークへの期待が高まっている。特に、高速・低遅延・大容量の特徴を持つローカル5Gの活用を考える企業は多い。しかし実際に導入するとなると、事前調査から設計、免許取得、システム構築、運用保守まで、高度な専門性と膨大なコストが必要になる。

また、一部の医療機関では公衆PHSサービスの終了を機に、構内通信をsXGPにリプレースする動きがある。だが、「sXGPは現状下りで最大12Mbps程度と通信容量が少ないためデータ通信には不向き。今後スマートフォンやタブレットでDXが進むと言われる医療現場に、音声通話のためだけにsXGPを入れるのはコストパフォーマンスが悪い」とアライドテレシスの星秀氏は指摘する。

アライドテレシス マーケティング統括本部 Global Product Marketing部 星秀(しゅう)氏
アライドテレシス マーケティング統括本部 Global Product Marketing部 星秀(しゅう)氏

こうした課題に対して星氏は、「キャリア5G×Wi-Fi 6」を提案する。構内はWi-Fi 6でカバーし、外に出るルーターから先はキャリア5Gで通信。免許不要で高速・大容量・低遅延のWi-Fiが利用でき、VoIPを使えばIP電話も可能になる。「もちろん全ての通信をキャリア5Gでやっても同じことができるが、そのためには全てのデバイスを5G対応にする必要がある。対応端末が圧倒的に多いWi-Fi 6を利用する方が現実的だ」

ローカル5Gに比べれば価格も大幅に抑えられる。「規模にもよるが、1桁ぐらいはコストが削減できるのではないか。また、数年後にミリ波のサービスに接続したくなった場合も、この構成ならルーターだけ買い換えればいいので数十万円で済む」

デュアルSIMの5G対応ルーターと独自技術で途切れないWi-Fi 6 APこの「キャリア5G×Wi-Fi 6」の実現手段となるのが、アライドテレシスの5G対応ルーター「AT-AR4050S-5G」とWi-Fi 6対応アクセスポイント(AP)「AT-TQ6602」だ。

AT-AR4050S-5GはデュアルSIM対応。異なるキャリアのSIMを挿すことができる。一方をActiveとして通常は使い、回線に不具合があればもう一方(Backup)に自動でも手動でも切り替えられる。LTE、3Gにも対応しており、5Gの通信状況が悪くなれば自動でLTE以下に移行する。

有線ポートも備えているので、モバイル通信のみの運用が心配であれば、有線をActiveに、モバイル通信をBackupに設定することもできる。通常時は5G回線を使用し、状況に応じて有線に切り替えることももちろん可能だ。また、オプションとして防水規格IP67対応の外付けアンテナも用意しているので、アンテナだけ環境の悪い場所に設置することもできる。

さらにWebフィルタリングやDPIなどのUTM機能に対応するため、モバイル回線でも高いセキュリティを確保する。

構内をカバーするWi-Fi 6対応APのAT-TQ6602は、独自技術AWC-CB(Channel Blanket)に今後対応する予定だ。これは複数のAPでシングルチャンネルを構築できる機能となる。通常APは1台ごとに違うチャンネルを使用するため、APを跨ぐ際に一度通信が途切れてしまう。AWC-CBは複数APの電波を仮想的に1つのチャンネルにまとめることで、途切れない通信を実現する。

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