楽天モバイルの仮想化コア網にも採用 ―― インテルのネットワーク向けFPGAの実力とは

世界各国の通信事業者が続々と2019~2020年にかけての5Gサービス開始を告げるなか行われたMWC19 Barcelonaで、インテルは5Gネットワーク向けの各種ソリューションを発表した。

なかでも注目を集めたのが「インテル FPGA PAC N3000」だ。5Gコア、仮想化無線アクセスネットワーク向けに開発されたアクセラレーションカードである。

インテル FPGA PACとは、同社が2017年からクラウド/データセンター向けに提供している「プログラマブル・アクセラレーション・カード(PAC)」だ。CPUとFPGAとの連携をシームレスに行えるのが特徴で、一般的なソフトウェア開発環境によってCPUとFPGAを組み合わせたデータ処理を行うプログラミングが行える。CPUで処理しきれないワークロードをFPGAにオフロードさせる用途で、クラウドでの採用が広がっている。


インテル FPGA PACソリューションの概要

今回発表されたPAC N3000は、インテルにとって初の“ネットワーク向け”FPGAカードだ。ターゲットは、NFV(Network Functions Virtualization)環境である。

仮想ネットワーク機能(VNF)を汎用サーバー上で動作させるNFV環境では、通信事業者が従来から使ってきた専用装置に比べると処理能力が不足することが課題になっている。FPGAによってこれを解消し、通信事業者インフラの仮想化/クラウド化を後押しするのがインテルの狙いだ。


インテル代表取締役社長の鈴木国正氏(左)と、プログラマブル・ソリューションズ営業本部
データセンター&コミュニケーション統括部 統括部長の渡海博史氏

これは、NFV/仮想化を前提とする5Gコアネットワークの構築にも大きく貢献しそうだ。3月7日に行われた日本国内向け発表会で代表取締役社長の鈴木国正氏は、5G時代を見据えて「FPGA製品は非常に重要な製品になるのではないかと思っている」と話した。

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