日本レースプロモーション（JRP）、インターネットイニシアティブ（IIJ）、IIJエンジニアリング（IIJ-EG）の3社は2023年4月4日、JRPが主催する2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権（SUPER FORMULA）におけるITソリューションパートナー契約を締結したと発表した。
SUPER FORMULAはアジア圏最高峰のモーターレースで、今シーズンは2023年4月8日に開幕。全国5地域で7大会9レースが開催される。
IIJとIIJ-EGは、レース視聴サービス「SFgo（エスエフゴー）」のヘルプデスクサービスを開始するとともに、今後、観客席向けの通信インフラの運用・サポート、映像配信、およびレースでのオンボード（車載カメラ）映像の通信環境改善などのデジタル化を進め、モータースポーツのDXを支援していくとしている。
SFgoはJRPが2023年1月に開始したデジタルプラットフォームで、レース中継映像とあわせて、お気に入りのドライバーのオンボード映像や走行中のマシンデータ（テレメトリー情報）等をスマートフォンやPCでリアルタイムに観ることができる。IIJとIIJ-EGは4月から、SFgoの利用者向けヘルプデスクサービスを提供開始する。
加えて、今後はサーキットにおける通信環境の改善を支援する。SUPER FORMULAが行われるサーキットの多くは郊外にあり、レースが開催される週末には2日間で数万人のファンが来場するため、1つのモバイル通信基地局にアクセスが集中することでネットワークが混雑し、会場の通信環境の改善が課題になっていた。
これに対して、IIJとIIJ-EGでは、ローカル5GやWi-Fi等の通信技術の知見を活かし、サーキットにおける通信環境の改善を進めていく予定だ。観客はSFgoをはじめとするスマートフォンアプリやサービスを遅延なく利用することができ、レースの情報や映像の入手、SNSでの情報収集・発信を快適に行うといったレース観戦体験の向上が期待できる。
さらに、オンボード映像のアップロードや車両の遠隔制御において、時速300kmを超える車両との通信にはハンドオーバー等の課題があるが、ローカル5Gによる超高速かつ超低遅延なネットワークの構築や、エッジコンピューティング技術の活用により、リアルタイムかつ円滑な通信環境の構築、さらにはサーキット内での折り返し映像配信など、モータースポーツの新たな運営・観戦スタイルの実現を目指すという。