KPMGコンサルティングは2023年12月18日に記者発表会を開催し、テクノロジーの企業活用やDXの展望に関する調査レポート「KPMGグローバルテクノロジーレポート2023」の結果を公表した。
同レポートは、欧州や中東、アフリカなどの大手企業に在籍する上級管理者数2100名の回答結果をまとめたものだ。
KPMGコンサルティング 執行役員 Technology Transformation Management ユニット統括 パートナーの尹暢模(ユン・チャンモ)氏は、「DXの効果は、期待を上回る成果を上げている」と説明した。同レポートの回答者の多くが、先端テクノロジーの投資によって10%以上の収益性や業績向上を実現したと回答している。特に日本においては、XaaS(everything as s Service)やデータアナリティクスの活用が、収益性・業績向上に貢献している。
「DXを失速させる可能性のある主要な要因は何ですか?」という質問に対しては、「テクノロジー部門の連携不足」と「サイバーセキュリティ」が上位に挙がった。
「テクノロジー部門が他部門とのコミュニケーションを欠いていると、DXの推進が遅くなる。どうやって全社的にテクノロジー活用を進めていくか、他部門を巻き込みながら取り組んでいく必要がある」と尹氏は話した。
こう述べたうえで、「サービスや製品を提供するにあたって、サイバーセキュリティを含めたプライバシーをどう担保するのかという部分に注目が集まっている。企業としてこれができれば、新たなビジネスチャンスを生み出せる」と解説した。
「次のイノベーション目標のうち、テクノロジー部門が今後2年間で優先する取り組みは何ですか?」という問いに対しては、前述したサイバーセキュリティに加え、「ESG課題」も挙がった。「昨年の調査では上位に位置づけられていなかったESG課題が、テクノロジーを活用する中での最優先事項となっている」(尹氏)