カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチは2024年3月27日、グローバル市場における5G対応スマートフォンの出荷量が2023年第4四半期に累計で20億台を突破したと発表した。この調査結果は、Global Market Monitor Serviceの最新調査によるもの。
20億台の大台に乗るのに5年かかっておらず、同発表によれば、これは4Gや3Gなどの従来の通信方式と比較して最短という。4Gスマートフォンは20億台に達するのに6年を要している。
5G機種の出荷量は、そのほぼ70%が中国、米国、西欧などの先進国市場向け。アップルとサムスンの2強で、合わせて10億台を超える5Gスマートフォンを出荷した。
iPhoneで初めて5Gに対応したiPhone 12シリーズの発売以降、5Gの採用が著しく加速。2020年第4四半期には、単一四半期としては初めて5Gスマートフォンの出荷量が1億台を超えた。この勢いは現在も続いており、2023年第4四半期には単一四半期で2億台を超えるという。
5Gスマートフォンの価格や入手しやすさも改善している。背景には、5Gと4Gのチップセットの価格差が縮まってきたこと、メーカー各社が戦略的に部品を選択し、BOM(Bill Of Materials)コストを抑えたことがあるとしている。
加えて、メディアテックやクアルコムなどのチップセットメーカーがエントリーレベルの5Gチップセットを発売しことで、スマートフォンメーカーが低価格帯の5Gスマートフォンを市場に出しやすくなったことも影響している。
先進国市場はほぼ飽和状態にあり、高価格帯機種セグメントが主導する形で、5Gスマートフォンの出荷全体に占める割合は2023年には80%を超えた。このため、主要なスマートフォンメーカーは5Gを標準機能として中位価格帯機種に搭載すると共に、低価格帯機種への搭載も始めている。
さらに、キャリア各社が5Gカバー率を広げつつある発展途上国でも、消費者の5Gへの関心は高まっており、新興国市場に5Gスマートフォンの普及を広げる上で必要な材料が揃った状態と同調査では分析。次の10億台の出荷量に向けて、インドや東南アジアなどの新興国市場が市場を牽引する形で、5Gの勢いが続くと予想している。