「ポストコロナでは働く場所が多様化し、併せてミーティングも変化するだろう」。こう話すのは、日本マイクロソフト デバイスパートナーソリューション事業本部 ビジネス開発室長の河野万邦氏だ。
ここ数カ月、世界的にワクチン接種が加速している。ただ、大多数の人が接種を完了したからといって、新型コロナウイルスの脅威がなくなるわけではない。感染拡大のリスクを抑えるには、引き続き「密」な環境を避ける必要がある。
端的な例が働き方だ。毎日のように満員電車に揺られて出社し、オフィスに全社員が集まるという以前のスタイルへ完全に戻る可能性は低い。代わって今後は、自宅やサテライトオフィスなどオフィス以外の場所で働くリモートワークと、出社して働くオフィスワークを組み合わせたハイブリッドワークが主流になると見られる。
経営層の7割が新しい働き方を検討米マイクロソフトが今年1月、世界31都市・約3万人の有職者を対象に行った調査によると、すでに経営層の66%が、ハイブリッドワークに向けたオフィスのリニューアルを検討し始めている。また、従業員の73%が「今後もリモートワークを活用した柔軟な働き方を希望している」一方、67%が「コロナ後はより多くの対面でのコラボレーションを望んでいる」と回答した(図表)。
図表 働く環境の変化→ハイブリッドワークへ
コロナ禍においてリモートワークを体験した多くの従業員が、時間と場所を問わない柔軟な働き方というオフィスワークにはない利点と、円滑なコミュニケーションの難しさといった課題の両面を認識している。
ハイブリッドワークでリモートワークとオフィスワークの“いいとこ取り”を実現するには、ただ導入すればいいというわけではない。そこでマイクロソフトは、「People(人)」「Place(空間)」「Process(プロセス)」のそれぞれの分野で取るべき対策やマイクロソフト社内の取り組みなどを紹介したホワイトペーパー「ハイブリッドワーク:ビジネスリーダーのためのガイド」を無償で公開している。
このうち空間については、会議室のデジタルへの対応を提案する。というのも、ハイブリッドワークでは、離れた場所にいるメンバー間のコミュニケーションを最適化するのにミーティングが重要な役割を担うが、その際、自宅などリモートから参加する人はもちろんのこと、オフィスに出社している人も会議室からオンラインにつながるからだ。
特に日本企業の場合、コロナ以前のミーティングは会議室に集まって行うことが前提となっていたため、「ビデオ会議システム等が入っていない会議室が80%以上を占める」(Wainhouse, Microsoft カスタム調査 2020年8月)など、デジタル化が遅れている。
しかし、旧来型の会議室でオンラインミーティングを行うとトラブルが生じやすい。一例として、数人がノートPCから接続するとマイクやスピーカーが干渉し合ってハウリングやエコーが起き、進行に支障を来す可能性がある。
これに対しマイクロソフトは、「Microsoft Teams」を用いて会議室をデジタルと融合した場に生まれ変わらせるソリューションとして、「Microsoft Teams Rooms」をハードウェアパートナーとともに展開している。
Microsoft Teams Roomsは、会議室の規模に合わせたラインナップを揃える。機器の設置場所を確保することが難しい小規模会議室向けのTeams Rooms対応製品の1つ「Yealink MVC400」は、カメラとスピーカーが一体化した「UVC40ビデオバー」とミニPC、タッチパネルというコンパクトな構成で、スペースを取らずに設置することが可能だ。あらかじめPCで予約しておけば、タッチパネルをワンタッチするだけでTeams会議を始められる。
「Yealink MVC400」は、カメラとスピーカーが一体化した「UVC40ビデオバー」とミニPC、タッチパネルというコンパクトな構成で、小規模会議室に設置することができる