コロナ禍で損なわれたものの1つに、社内コミュニケーションがある。リモートワークによって日常的な交流が減ったことはもちろん、それを補うための社内レクリエーションもまた開催するのが難しい。社員が一堂に会し、連帯感を醸成する機会はほぼ失われているのが現状だ。
実際、社内コミュニケーションの不足に悩みを抱える企業は多いようだ。「社内コミュニケーションができなくなってしまった。なんとかならないかという声をNTTグループ各社がいただいている。そのなかで我々にも、eスポーツを使えないかという要望が多く寄せられた」
そう語るのは、NTTe-Sports 代表取締役副社長の影澤潤一氏だ。同社は2021年9月16日に、記者説明会を開催。eスポーツのメリットを活かして、コロナ禍に適応した社内レクリエーションの開催を支援するサービスの提供を始めると発表した。
NTTe-Sports代表取締役副社長の影澤潤一氏
「コロナ禍の社内レク」にeスポーツが適している理由
2021年10月1日から提供を開始する「eスポーツ×社内レクパッケージ」は、企業・団体等が開催するレクリエーションイベントを、NTTe-Sports社のeスポーツイベントノウハウおよび配信技術を用いて運営サポートするものだ。「eスポーツ大会の企画から運営、配信までまるごとサポートする」(影澤氏)。
「eスポーツ×社内レクパッケージ」の概要
同氏は、コロナ禍で開催する社内レクに、eスポーツが備える3つのメリットが活かせると強調した。
1つが、オンラインでも実施できること。リアルの会場に集まる人数を抑えながら、自宅や地方拠点などからネットワークを介して多くの社員が参加できる。リモート参加者は、対戦の様子を映像で楽しむだけでもいいし、もちろんネットワーク越しに対戦に参加してもいい。
ネットワンシステムズが開催したeスポーツ大会の様子
2つめは、世代間のギャップが小さいことだ。「ゴルフや飲み会といった従来型のレクリエーションに若者が参加しないことが問題になったりしているなかで、ゲームは年齢層も幅広く、若手社員の興味を惹きやすい」と影澤氏。実際、NTTe-Sportsの支援で社内eスポーツ大会を開催したネットワンシステムズでは、幅広い世代の社員が参加。ゲームが苦手な上司、さらには社員の家族まで参加することで一体感の醸成に大きく役立ったという。
3つめは、手軽に開催できることだ。拠点が多い企業でも、移動や宿泊の手配などが不要で、「ゲーム機とネット回線さえあればできる」(同氏)。