京セラは2025年11月11日、2026年1月に米ラスベガスで開催されるテクノロジー見本市「CES 2026」への出展に先立ち、主な展示技術・製品をメディア向けに公開した。
まず目を引いたのが「水中光無線技術」だ。LED(発光ダイオード)よりも指向性と輝度に優れるGaN(窒化ガリウム)レーザーを採用することで、最大2Gbpsの高速通信を実現できるという。
想定されるユースケースの1つが、海底資源の調査や海底ケーブルの点検である。具体的には、海中ドローンやAUV(自律型無人探査機)が撮影した映像データを、水中光無線を活用して海中拠点などに伝送。そこから有線等を介して陸上へ送るといったシーンでの活用が期待される。

京セラでは、最大2Gbpsを上回る水中光無線技術の研究開発を進めている。1GHzを超える広い帯域幅を持つ光フロントエンド回路(光信号の制御・変換を担う電子回路)を用いることで、従来比2.5倍の「最大5.2Gbps」の伝送容量を達成したという。説明員によれば、「7~8時間分の4K映像を5分で送れる」。

AIの急速な拡大に伴いデータセンターの消費電力が急増している現状を踏まえ、光電集積モジュール「OPTINITY」もCES 2026に展示する。OPTINITYは、サーバー機器内などの各種デバイス間を高速に接続するためのインターフェース「PCI Express(PCIe)」を“光化”することで、データセンターの高速化・省電力化を実現する。
説明員によると、「電気接続では7メートルが限界だった伝送距離が、光接続によって30メートルまで延伸できた。将来的には500メートルを目標としている」という。なお、通信帯域32GbpsのPCIe5.0に対応し、16レーンで計512Gbpsの大容量伝送が可能だ。
