三菱電機、800Gbps/1.6Tbps光ファイバー通信用200Gbps pin-PDチップのサンプル提供開始へ

三菱電機は2024年8月20日、次世代の光ファイバー通信速度800Gbpsや1.6Tbpsに対応可能なデータセンター(DC)向け光トランシーバーに搭載される受信用光デバイスの新製品として、「800Gbps/1.6Tbps光ファイバー通信用200Gbps pin-PDチップ」のサンプル提供を10月1日に開始すると発表した。

800Gbps/1.6Tbps 光ファイバー通信用200Gbps pin-PDチップ

市場が急拡大しているDCでは、従来の光ファイバー通信速度400Gbpsから次世代の800Gbpsや1.6Tbpsへの移行が進んでおり、生成AI用演算機器のデータ通信経路を切り替えるスイッチを構成する光トランシーバーに高速・大容量通信が求められている。一方、光トランシーバーは、送信用の光デバイスでは次世代の800Gbpsや1.6Tbpsへ対応する製品が市場投入されているのに対して、受信用の光デバイスにおいては、性能を満たす製品が少ないという課題があった。

そこで三菱電機は、光トランシーバーの受信用光デバイスを新たに開発した。同製品の特徴は下記の通り。

1.裏面入射型構造と凸レンズ集積構造の採用で高速動作を実現し、DC内通信の高速・大容量化に貢献
裏面に光を入射する構造と凸レンズ形状で光を集積する構造との組み合わせで、光電変換領域をできるだけ小さくし、高速動作に寄与する低素子容量化を実現することで、現在主流の100Gbps製品と比べて2倍の200Gbps(112Gbaud PAM4)伝送が可能な高速動作を実現。また、光トランシーバー内にPDチップを4つ搭載することで、1台の光トランシーバーで800Gbps、8つ搭載することで1台の光トランシーバーで1.6Tbpsの通信が可能となり、DC内通信の高速・大容量化に貢献できるという。

裏面入射型構造と凸レンズ集積構造を採用したPDチップ断面構造と入射光(イメージ)

2.凸レンズ集積構造の採用とフリップチップ実装への対応で、光トランシーバーの組み立て作業の効率化、製造コスト削減に寄与
凸レンズ集積構造により、凸レンズが無い場合と比較して受光領域を約4倍に拡大し、PDチップへの入射光が少しずれても受光可能としたことで、入射光の高精度な調整が不要となり、光トランシーバーの組み立て作業の効率化に寄与。また、PDチップの電極を信号増幅用ICや基板へのフリップチップ実装に対応させることで、光トランシーバー組み立て時のワイヤ接続工程の削除が可能となり、製造コスト削減に寄与できるという。

(左から)凸レンズ集積構造による受光領域拡大(イメージ)、フリップチップ実装(イメージ)

同社は、受信用の光デバイスをラインアップすることで、既存の送信用光デバイスと合わせ、光トランシーバーの通信容量拡大を実現し、データセンター内通信の高速・大容量化に貢献していくとしている。

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