IDC Japanは2月6日、オフィスのIT環境を自宅へ拡張する「Branch of One」に関する調査結果を発表した。
これによると、在宅勤務に5G回線を利用している回答者の割合は、前年度から倍増した。在宅勤務において、有線または無線LANと5Gの組み合わせをメインで利用している回答者の割合は、2021年調査では5.5%だったが、2022年は10.8%だった。
また、在宅勤務でのインターネットアクセス時に、クラウド型セキュリティサービスを利用している回答者の割合は2割を超えている。
業務端末からWebやインターネットにアクセスする際に必要なセキュリティ機能に関して、最も主要な利用形態として「インターネット上のクラウド型セキュリティサービスを利用」を回答した割合は26.8%だった。さらに、「閉域網のオプションとしてのゲートウェイサービスに付随するセキュリティ機能を利用」も17.4%で、2つを合わせるとネットワーク上で提供されるセキュリティ機能の利用割合は4割を超える。
Branch of Oneの実現にあたって、現在最も注目を浴びている技術の1つがSASEだが、SASEは多くの場合、SD-WANとクラウド型セキュリティによって構成されている。そのため、SASE導入にあたっては、SD-WANとクラウド型セキュリティを別々のベンダーから調達する、あるいは同一のベンダーから調達するなどの選択肢がある。
今回調査では、クラウド型セキュリティとSD-WANを、同一ベンダーから調達済みまたは調達する予定の企業は5割強、それぞれ別のベンダーから調達済みまたは調達する予定である企業は約4割と、顕著な違いは表れていない。
「通信事業者やシステムインテグレーターは、在宅勤務用のモバイル回線として5G回線を積極的に提案すべきである。また、クラウド型セキュリティとSD-WANを同一ベンダーの製品にすべきかについて、顧客企業の要望を見極め、設計や運用のシンプルさを重視して同一ベンダーからの調達を提案するか、従来構成からの移行の容易さや個別の機能優位性を重視して異なるベンダーからの調達を提案するかを決定すべきである」とIDC Japanの山下頼行氏は述べている。
在宅勤務で利用しているネットワーク種別
Q. ご自宅などから在宅勤務でのネットワーク接続として、メインで使っている組み合せをお答えください。