「フォーティネットが他社と違うのは、ASICをちゃんと作っているところ。台数が少ないとペイしないので、いかに台数を伸ばすかというのがバックにある」
今年7月にフォーティネットジャパンの社長執行役員に就任した田井祥雅氏。自己紹介の後、まず触れたのがセキュリティアプライアンス市場における同社の台数ベースシェアだ。
グローバルで35%以上、日本では55%以上のシェアを有しているが、その背景には台数を追求しなければならない事情もあるという。
そうまでしてフォーティネットがASICの自社開発にこだわる理由は、ネットワークのトラフィック量がCPUの進化を上回るスピードで増加していることにある。
「ネットワークの流量は半年で倍になると言われている。ムーアの法則により2年で性能が倍になるCPUで、半年で倍になるネットワークを見ていくのは難しい。そこに目を付けて、我々はASICの開発をずっと続けているが、この戦略がうまくいった」
同社のグローバルでの直近の年間売上高は、前年同期比40%成長の5629億円以上。時価総額は5兆円を超え、2025年には100億ドル(1兆4000億円)の売上を目指している。