ソフトバンクは2022年4月26日、ネットワーク構成のシンプル化や拡張性の向上を実現する「SRv6（セグメントルーティングIPv6）」の商用ネットワークへの全国展開が完了したと発表した。
また、SRv6の拡張機能である「SRv6 Flex-Algo（フレックスアルゴ）」を用いて、ネットワークスライシングの商用ネットワークへの導入を2022年4月から開始した。この導入を支援するシスコシステムズによれば、世界初の取り組みという。
SRv6は、パケットに付けた転送識別子によって、宛先と経路を指定する技術。複雑なプロトコルやパス情報の管理を排除することで、ネットワーク構成をシンプル化し、拡張性を高めることができる。
このSRv6の新機能であるFlex-Algoは、Algo（アルゴ）と呼ばれるスライスをIPネットワーク上に自動的に生成し、SRv6の転送識別子によって用途に応じた適切なスライスへのパケット転送を実現するもの。サービス要件に応じたスライスを生成・利用することで、より柔軟なトラフィック制御を可能にし、5Gと組み合わせることで多様なニーズに応じたサービスの提供を実現する。
SRv6 Flex-Algoの構成イメージ図
従来技術によるトラフィック制御と比べて拡張性が高く、シンプルな運用でネットワークスライシングを実現することが可能になる。また、5G側の優先度識別子やスライス識別子との組み合わせによって、ユーザーのSLA（Service Level Agreement）に応じたネットワークスライシングを、廉価かつ迅速に提供できるようになることが期待されるという。