大阪府・市のスーパーシティ構想のエリアの1つ「うめきた2期地区」 ローカル5G広域利用の先行事例に期待

うめきた2期地区の完成予想イメージ。公園をはさみ、南北にオフィスビルや高層マンションが建設される(出典:「うめきた2期地区開発プロジェクト」公式サイト)

うめきた2期地区の完成予想イメージ。公園をはさみ、南北にオフィスビルや高層マンションが建設される
(出典:「うめきた2期地区開発プロジェクト」公式サイト)

8月26日に掲載した記事については、一部誤認を与える情報があり、次の通りの内容にて修正をさせていただきます。

 

今年4月、大阪府大阪市と茨城県つくば市が「スーパーシティ」に選定された。

スーパーシティ構想とは、住民が参画し、住民目線で、2030年頃に実現される未来社会を先行実現することを目指すもの。従来のスマートシティは、エネルギーや交通、安全・安心など個別分野の取り組みに留まっているのに対し、スーパーシティでは①AIやビッグデータなどの先端技術を活用し、生活全般にまたがる複数分野における先端的サービスの提供、②複数分野間でのデータ連携、③先端的サービスを実現するための規制改革の同時・一体的・包括的推進により、生活全般を対象とした「まるごと未来都市」を目指している。

大阪府・市では、うめきた2期地区(北区)と2025年に開催される大阪・関西万博の会場となる夢洲(此花区)という2つのグリーンフィールドでプロジェクトを展開する。

うめきた2期地区は、中心部の都市公園「うめきた公園(仮称)」をはさみ、北街区と南街区の3エリアに分かれている。三菱地所を代表企業とするJV9社が開発を手掛け、北街区と南街区にはそれぞれ高層マンションとオフィスビルが建設される。オフィスビルには、ホテルやレストラン、商業施設なども入居する(図表1)。

図表1 うめきた2期地区開発プロジェクトの概要

図表1 うめきた2期地区開発プロジェクトの概要

出典:「うめきた2期地区開発プロジェクト」公式サイト

大阪府・市のスーパーシティ構想では、うめきた2期地区における規制改革の1つとして、ローカル5Gの広域利用が提案されている。

約4.5haある公園内には、併せて随所にネットワークカメラを設置することで安全・安心な環境を作るとともに、公園の維持管理をスマート化する。これまでICT化が進んでこなかった植栽管理についても、ウェアラブル端末による報告書作成の自動化や遠隔からの作業指示など先進的な取り組みを採用し、省人化・省コスト化を図るという。

「公園で開催されるイベントでローカル5G環境を活かしたメタバースやデジタルツインにより、イベント参加者と現地に足を運べない人たちが仮想空間上で交流するといったことや、公園に隣接するオフィスビルで日頃からローカル5G環境で業務を行っている人が、ローカル5Gに対応したノートPCなどのデバイスを持ち出し、公園のテラスで打ち合わせをするといった使い方も考えられるのではないか」と阪神電気鉄道 情報・通信事業本部 情報・通信統括部 課長の中村光則氏は話す。同氏は、地域BWA推進協議会 BWA推進部会長や総務省 情報通信審議会 新世代モバイル通信システム委員会・ローカル5G検討作業班の構成員を務めており、大阪府・市のローカル5Gの広域利用にかかる規制改革提案に関して、広域利用を推進する事業者の立場で関わっている。

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