インテルは2022年9月21日、記者説明会を開催し、「インテル SaaS Market Acceleration Program」を2022年第4四半期より提供開始すると発表した。
インテル SaaS Market Acceleration Programは、中小企業におけるDX/DcX(データセントリック・トランスフォーメーション)やクラウド利活用の推進を目指し、SaaS事業者に対しビジネス促進や技術支援の活動を行うものだ。
国内クラウド市場は拡大を続けており、2026年の市場規模は2021年の2.3倍に成長するとの予測もある。その一方、MM総研の調査によると、クラウド利用率は大企業の78%に対し、中小企業は49%に留まっている。ITに関する人材や知識の不足、セキュリティやコストに対する懸念が、クラウド導入の遅れの主な要因だ。
「日本企業全体の99.7%を占める中小企業のクラウド利用を推進することで労働生産性を高め、産業の発展につなげたい」とインテル代表取締役社長の鈴木国正氏は抱負を語った。
インテル SaaS Market Acceleration Programは、ユーザーとなる中小企業がクラウドをセキュアかつ容易に利用できるようにするため、サービスを提供するSaaS事業者に対し、ビジネス促進と技術支援の両面からサポートする。
ビジネス促進については、外部イベントやインテル主催イベントへの参加機会を提供するほか、インテルの顧客基盤の中からユーザーとなる中小企業とのマッチメイキングを行う。活動の第1弾として、最適なSaaSサービスを比較・検索できる「BOXIL SaaS」などを提供するスマートキャンプと協業。共同でイベントなどのマーケティング活動を展開する。
2023年には、インテル SaaS Market Acceleration Programに参画するSaaS事業者を広く募集するほか、技術支援へと活動を拡大する予定だ。具体的には、ベンチマーク情報の共有やクラウドに特化したツールの提供、各種マイグレーション支援などを提供する。
日本の産業界における中小企業の労働生産性は大きな課題だ。「インテル SaaS Market Acceleration Programを通じて、確実に成果を挙げていきたい」(鈴木社長)としている。