NEC、顔認証をベースとしたPCセキュリティ「NeoFace Monitor クラウド版」の新バージョン

NECは2024年8月30日、顔認証エンジンをベースとしたPCのセキュリティサービス「NeoFace Monitor クラウド版」の新バージョン「NeoFace Monitor クラウド版 R1.5」を販売開始すると発表した。

新バージョンでは、3点の強化を行っている。

1つめが、顔認証速度の抜本的改善だ。

顔認証を行う際、従来は顔情報やアカウント、認証設定などの情報をクライアントPCと管理ポータル間で個々に通信していたが、新バージョンでは複数の情報をまとめて通信する方式に転換することで、ログオン・ロック解除における通信実行回数を従来の30%以下に削減し、顔認証の高速化を実現した。

顔認証高速化イメージ

顔認証高速化イメージ

また、クライアントPCの認証キャッシュに顔情報が存在する場合には、管理ポータルと通信可能な状況でもキャッシュ認証を優先する「キャッシュ認証優先モード」を新たに用意。管理ポータルと通信せずキャッシュ情報で認証できるため、ユーザーのネットワーク環境に依存しないスムーズな認証環境を提供する。

認証キャッシュによる高速化イメージ

認証キャッシュによる高速化イメージ

2つめが、運用管理機能の強化だ。

Active Directory(AD)プロビジョニング機能の追加や、NeoFace Monitor独自の利用者パスワードによるOSログオン、顔画像データを管理ポータルに保存しない運用を可能にした。

ADプロビジョニング機能では、ADと連携してWindowsアカウント情報を読み取り、管理ポータル上にWindowsアカウントと同名のNeoFace Monitor利用者IDを自動登録する。利用者名やドメイン名などの情報(顔情報・パスワードの登録は別途必要)も自動登録されるため、管理者の作業が大幅に削減できる。さらに、ADサーバーのWindowsアカウント情報に変更があった際は、その差分を検知し、管理ポータル上に反映する。

ADプロビジョニング機能イメージ

AD プロビジョニング機能イメージ

NeoFace Monitor独自の利用者パスワードによるOSログオンへの対応は、Windowsパスワードを利用者に開示しないため、利用者によるWindowsパスワードの流出を防止するなどセキュアな運用が可能となる。また、NeoFace Monitorの利用者パスワードは、二要素認証や顔認証にてログオンできなかった際の代替認証としても利用できる。

顔画像データを管理ポータルに保存しない運用では、ユーザーの希望により、管理ポータルに顔画像を保存せず、顔情報登録時に生成される顔特徴量(顔画像を不可逆なデータに置き換えたもの)を利用して認証することで、よりプライバシーに配慮した運用が可能になる。

3つめが、利用者の利便性向上などの強化だ。

利用者の利便性向上を目的に「クライアントソフトウェアの自動アップデート機能」やプレゼン等でPC から顔が外れることが想定される利用シーンなどに配慮した「常時認証の一時停止機能」を追加した。管理者に向けては、管理ポータルへのログオン履歴や操作内容履歴などを確認できる「管理ポータル操作ログ」の追加や、認証失敗履歴を確認できる「二要素認証時のログ管理」の強化を行い、業務の効率化を支援する。

NeoFace Monitor クラウド版 R1.5の希望小売価格は、1名あたり300円(税別、月額換算)~。初回購入時は、最低12カ月分かつ10名以上の利用権が必要。

受注・提供開始時期は、2024年10月中旬を予定する。

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