オブザーバビリティ製品を提供するDynatraceは2025年3月26日、新機能についての記者説明会を開催した。
冒頭、Dynatrace 代表執行役社長の徳永信二氏は同社のグローバルのビジネス概況を説明した。2005年にオーストリアでアプリケーションパフォーマンス監視(APM)製品ベンダーとして創業し、2024年12月期の売り上げは2624億円、顧客数は4000社以上に達している。
日本では2021年に営業活動を本格化し、現在の顧客数は約100社だという。
続いて登壇した同社 執行役員 エバンジェリストの日野義久氏は、Dynatraceが目指すビジョンを「ソフトウェアが完璧に動作する世界の実現」と述べた。従来の監視製品が運用効率の改善を主目的とするのに対し、Dynatraceはビジネス成果の最大化をも視野に入れていると説明。実際、解約率の低下やコンバージョン率の向上といった効果を挙げた事例があるという。
同社が提供するソリューションは、インフラ、アプリケーション、ユーザー体験、セキュリティ、ビジネス分析など、8つの領域(ピラー)で構成されており、ユーザー企業の課題や目的に応じて柔軟に組み合わせて利用できる設計となっている。これらのソリューションは、Dynatraceが独自に持つ5つの中核技術に支えられていると、同社 ソリューション技術本部の黒岩宣隆氏は語った。
その技術の1つが「単一エージェントによる自動データ収集」である。エージェントをインストールするだけで、事前に定義されたアラート設定が有効となり、監視を即時に開始できる。システムが正常に稼働している際は、リアルタイムにトポロジーを可視化する「依存関係の自動把握」や、「ペタバイト級のログデータの一元保管」によって、分析の基盤を提供する。障害が発生すれば、「AIによる根本原因分析」を行い、サードパーティ製品と連携して「障害復旧作業の自動化」を行うことも可能だという。