NTT東日本、NTTデータ、ストーリーラインの3社は2025年4月23日に記者発表会を開催し、オフィスワーカー等の心身ケアをサポートする施設「Wellness Lounge」を新宿・初台にオープンすると発表した。
NTT東日本 ビジネス開発本部 営業戦略推進部長の佐藤文武氏は、「初台は住環境や文化施設があることに加え、オフィスワーカーが多く、ダイバーシティに富んだエリアだ」と説明し、こうした人々が持つ健康課題や悩みを解決していきたいとした。5月19日にオープン予定で、まず3社の関係者および同施設に関心を持つ企業・団体から順次、施設利用を案内していくという。
Wellness Loungeは、「KAGEROU」「HINATA」「KOKAGE」の3つの空間で構成されている。
KAGEROUは、「1人ひとりに合った飲食体験を楽しむ空間」(NTTデータ 第三金融事業本部 保険ITサービス事業部 戦略デザイン室長の矢野高史氏)だ。
この空間では、2種類のモニタリングシステムを設置する。1つめのシステムでは、NTT版大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi超軽量版」と次世代メディア処理AI「MediaGnosis」を組み合わせ、声や表情などから「休息の気分」「刺激を求める気分」など、その人の気分をタイプ別に分類。その結果をもとに、ドリンクやフードをレコメンドする。ドリンクメニューの1つであるコーヒーは、カフェイン量が異なる6種類をストーリーラインが提供する。
2つめは、イスラエルのスタートアップ、binah.ai社が開発したシステムで、顔の肌の微細な色の変化から、心拍数やストレスなどのバイタルサインを測定する。また、10段階評価でその人の健康状態を可視化できる。発表会でのデモでは、心臓年齢や高血圧リスクなど、細部にわたる測定が行えることを確認できた。
HINATAは、「覚醒」をテーマにしたコミュニケーション空間だ。イスラエルのSOLO社が開発した感情分析システムを用い、その人の感情・気分を解析。その結果に応じたパーソナライズアロマを提供する。
また、人間の体内時計に合わせて照明の明るさを調整する「サーカディアンリズム照明」により、オフィスワーカーの集中力向上・疲労回復にもつなげていきたい考えだ。社内でのブレストや大切なプレゼン前に集中力を高めたり、緊張を緩和するといった用途で活用してほしいとした。