
シャープとルクセンブルクの衛星通信事業者であるSESは2026年6月30日に記者説明会を開催し、衛星通信サービス分野で協業を開始したと発表した。今回のパートナーシップを通じ、SESが提供するMEO(中軌道)衛星通信サービス「O3b mPOWER」を2027年に日本国内へ展開する。
O3b mPOWERでは、高度約8000kmを周回するMEO衛星を用いる。シャープ 執行役員Co-COOスマートワークプレイスビジネスグループ長の小林繁氏によれば、GEO(静止軌道)衛星より低遅延で、LEO(低軌道)衛星に比べて広域を安定的にカバーできる点が特徴で、GEO衛星とLEO衛星の“いいとこどり”ができると話した。
また、顧客ニーズに応じた多様なプランを提供する考えだ。「ユースケースによっては通信速度や帯域保証が重要な要件となる。現在国内で提供されている衛星通信サービスでは、こうした要件を満たすのが難しい。SESの高品質・高信頼な回線を提供することで、ユーザーが抱える課題を解決したい」と通信事業本部長の中江優晃氏は意気込んだ。
将来的には、シャープが開発する衛星通信端末と組み合わせたソリューションを順次提供していく計画で、衛星通信回線から衛星通信端末の設置・保守、各業界向けのソリューションまでをワンストップで提供していくという。

具体的には、2027年にO3b mPOWERに対応したMEO(中軌道)衛星通信端末を提供する予定。2030年以降は、LEO(低軌道)衛星やマルチオービットに対応した、標準規格「5G-NTN」準拠の衛星通信端末に加え、ドローン等にも搭載可能な超小型衛星通信端末を商用化する方針だ。

衛星通信端末には、「フラットパネルアンテナ」を搭載する。一般的なパラボラ型とは異なり、平面形状で薄型かつ軽量な点が特徴で、設置性や可搬性に優れる。これには、シャープがスマートフォンの開発で培ってきたアンテナ周辺の小型化技術が生かされているという。