アンリツ、サムスンと協業し5G NR NTN向けテストケースでPTCRB認証を業界初取得

アンリツは2025年12月19日、サムスンとの協業により、5G技術を用いた非地上系ネットワーク(NR NTN)向けのRFコンフォーマンステスト(RFCT、仕様に対する適合性試験)テストケースで、業界初となるPTCRB(PCS Type Certification Review Board)認証を取得したと発表した。

アンリツのNew Radio RF コンフォーマンステストシステム「ME7873NR」のラックと、地球上空を周回する通信衛星を組み合わせて表現したイメージ。5G NR NTN向け試験・測定を象徴するビジュアル。

New Radio RF コンフォーマンステストシステム「ME7873NR」と衛星のイメージ

PTCRBは、主に北米市場で携帯端末の認証を担う業界団体。今回認証を取得したのは、アンリツのNew Radio RFコンフォーマンステストシステム「ME7873NR」。サムスン製のNR NTNモデムチップセットを搭載した端末を用いて共同検証を行い、NR NTNに対応したテストケースで認証を取得した。アンリツによれば、NR NTN関連のPTCRB認証試験ケースにおける認証取得は、2025年12月時点で業界初だとしている。

NR NTNは、低軌道(LEO)や中軌道(MEO)、静止軌道(GEO)といった各種衛星を活用し、地上以外の空中・宇宙空間で通信を行うネットワーク技術。3GPP Release 17では、5G NR仕様にNR NTNが新たに組み込まれ、地上ネットワークと同一の通信手順を用いた衛星通信が可能となった。これにより、地上ネットワークを補完し、広域・グローバルな5G通信の実現が見込まれている。

PTCRBによるNR NTNテストケースの承認は、NTN端末に対する正式な認証プロセスが開始されたことを意味する。今後、通信品質の向上やカバレッジ拡大を目的に、世界各国の通信事業者がNR NTNを採用していくとみられる。アンリツは、認証試験システムの提供を通じて、NR NTN端末の普及と市場拡大を支援していく方針だ。

認証を取得したME7873NRは、3GPP規格に準拠し、PTCRBに加えGCF(Global Certification Forum、端末相互接続性に関する国際認証団体)の認証を取得している。3GPP FR1(Sub-6GHz帯)に加え、OTA(CATR:Compact Antenna Test Range)チャンバである「MA8172A」または「MA8172B」と組み合わせることで、FR2(ミリ波帯)を含む5Gの主要周波数帯域をカバーする。

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