富士通は2021年3月30日、ネットワーク機器の製造工場である栃木県小山市の小山工場において、現場作業の自動化や遠隔支援などのDXを目的にローカル5Gシステムの運用を開始したと発表した。

小山工場では高精細映像やセンサーデータなどの大容量で膨大なデータを活用した効率的な技術伝承や作業の高精度化、自動化を目指している。今回の取り組みは電波の到達距離や使用用途に応じたローカル5Gのネットワークを構築し、現場の業務へ適用を目指すもの。

小山工場での各工程における取り組み

建屋内や建屋間の部品や製品の運搬作業においては、電波の到達距離が長い4.7GHz帯のSA（Stand Alone）構成のネットワークを活用して、工場内を走行する無人搬送車とのリアルタイムな通信で、高精度な位置測定と走行制御を行い、自動化する。

作業者による組立作業においては、広帯域で大容量のデータ通信に適した28GHz帯のNSA構成のネットワークを活用して、工場内に設置した多数の4Kカメラで撮影した製品や作業などの映像をエッジコンピューティング環境に伝送してAIによる映像解析を行い、正しい動きをしているかをリアルタイムにフィードバックするとで技術伝送につなげるとしている。また、MRデバイスを活用した現場作業のトレーニングや遠隔支援も行う。

小山工場におけるローカル5Gの活用イメージ