九州電力は今年7月、松浦発電所(長崎県松浦市)に、ローカル5GとWi-Fiによる自営無線ネットワークを導入した。
同発電所は、1号機と2号機を合わせた最大出力が170万kWと国内有数の発電規模を誇る火力発電所だ。広大な敷地に、ボイラーや排煙脱硫装置など巨大な構造物が密集しており、その数は数十にのぼる。これまで一部の建屋内ではLTEが利用可能だったが、その他の建屋や屋外では無線環境が整備されていなかった。
そこで今回、通信機械室にローカル5G制御装置とWi-Fi制御装置を設置。屋外はローカル5G、建屋内はローカル5Gをバックホール回線として活用し、Wi-Fi 6に接続するようにした。
九州電力が社用スマートフォンとして支給しているiPhoneはローカル5Gに対応していないため、暫定運用としてローカル5Gとの接続用にWi-Fiルーターを導入(図表)。iPhoneとローカル5Gの直接接続に関しては、早期実現に向けて検証を進めているという。