NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、日立製作所、その子会社の日立ヴァンタラは2024年12月5日に記者説明会を開催し、IOWN APN(オールフォトニクス・ネットワーク)とストレージ仮想化技術を用い、600kmを超える長距離間のリアルタイムデータ同期の実証に成功したと発表した。
生成AIの普及等に伴い、今後データ処理量の爆発的な増加が見込まれるなか、データセンター(DC)で使用する電力も大幅に増大すると予想されている。NTTグループは、再生可能エネルギーが豊富な郊外に建設されたDCをAPNで相互接続し、1つの巨大なコンピューティングリソースとして利用しようという構想を描いている。
今回3社は、全国のDCに設置された「Hitachi Virtual Storage Platform One 2U Block Appliance(以下、VSP One Block)」をAPNで接続する実証を行った。VSP One Blockとは、日立ヴァンタラが開発・提供するデータストレージ。同社独自のデータ圧縮・保護技術により、データ量や保有コスト、消費電力を低減できるという。
また、VSP One BlockはGAD(global-active device)と呼ばれるストレージ仮想化技術を適用できる。同技術を用いることで、各拠点に設置された複数のVSP One Blockをあたかも1つのストレージのように管理・運用できるようになる。
「障害が発生して1台のストレージが停止したとしても、もう1台のストレージで業務を継続可能になる。フェイルオーバー(障害切り替え)やフェイルバック(復旧切り替え)の操作もストレージ側では必要なく、サーバー側のみの指示で完了する」と日立ヴァンタラ ストラテジックビジネス営業本部 販売戦略部 販売企画G 主任技師の谷中大氏は説明した。