光アクセス技術としてこれまでも広く使われてきたPON(Passive Optical Network)は現在、10G PONの普及が進んでいる。世界で主流となっている10G PONの国際標準規格「XGS-PON」の次世代規格と見込まれているのが、25G PONおよび50G PONだ。
2つをまとめて「Beyond 25G」などとも呼ばれるが、この次世代規格の展開を狙って販売提携を発表したのが、古河電工とノキアだ。古河電工の平塚事業者内に、ノキアの25G PONおよび将来的に50G PONの光ファイバーソリューションを検証する環境を設置。2025年度内に市場展開を始める計画だ。
ノキアはPON製品のOLT(Optical Line Terminal。通信局舎に設置される光回線終端装置)で世界トップシェア。古河電工も、光ファイバーで世界トップクラスのシェアを誇るとともに、光デバイスなど含めた光ネットワークシステム全体を世界中でワンストップで提供してきた実績を持つ。
発表に合わせて開催した記者説明会で古河電工 執行役員常務の太田寿彦氏はその狙いについて、「PON市場で世界No.1のノキアと、総合的な光ソリューションをワンストップで提供する古河電工の強みを合わせて展開できる」と語った。
太田氏によれば、光ファイバーネットワークの領域における古河電工とノキアの提携はこれが初めてではなく、「3年前(2022年)に南米地区でPON販売で協業を開始した」。FTTHサービス等を展開する通信事業者やサービスプロバイダー向けだけでなく、PON製品を活用して光LANを構築するエンタープライズ向けビジネスも展開。2024年には東南アジアにもその範囲を広げている。
そして今回、日本で提携を開始するとともに、欧州や北米も含めた「全世界での提携」(太田氏)へと拡大する。
海外では25G PONの導入がすでに進んでおり、ノキア ネットワークインフラストラクチャー部門 アジア太平洋マーケット・エンタープライズグループでバイスプレジデントを務めるスチュアート・ヘンドリー氏によれば「50G PONのPoC(概念実証)も進んでいる」という。「ノキアがそのグローバルの知見を活かして、日本でも製品展開を進めていきたい」と話した。