NECは2026年1月23日、Sub6帯向けにMassive MIMO技術を搭載した新たな基地局装置・無線機(RU)を開発したと発表した。新装置は現行のアンテナ一体型RUの後継機であり、性能評価などの検証を経て2026年度上期の国内提供を目指し、下期に海外向け装置の提供を開始する予定。

新装置では、複数のアンテナを活用して同時に複数の端末と通信する「MU-MIMO(マルチユーザMIMO)技術」と、端末に対する指向性の高いビームの成形をリアルタイムに実現する技術を活用し、移動速度が速い端末や混雑環境下でも安定した高速通信を実現する。シミュレーションの結果、NECの現行機と比べて平均ユーザースループットはアップリンクで約48%、ダウンリンクで約54%向上。さらにソフトウェアのアップグレードにより、アップリンクは約55%まで向上する見込みだという。
消費電力については、現行機と比べて通常稼働時で約42%削減となる315W、ピーク稼働時で約30%の削減となる630W以下を実現。またサイズも、小型部品やファンレス設計などの採用により、体積は約23%削減して23.6L以下、重量は約33%削減して16㎏以下とし、小型化・軽量化を実現した。これにより、現場での取り付け作業が一人で可能となり、設置工数の大幅な削減に貢献できるとのこと。
さらに、NECのvRAN(仮想化基地局)との連携では、ソフトウェアによる柔軟な通信遅延の制御により、RUと制御装置(DU)とのフロントホール距離を、現行機の30kmから最大40kmまで延長。距離延長にともなうスループットへの影響を最小限に抑えながら、基地局設置場所の自由度を拡大する。また、通信需要の変動に応じRUや光伝送の経路などの機動的な配備を可能とし、CAPEX(資本的支出)とOPEX(事業運営費)双方の最適化を後押するとしている。