
2026年3月2日から5日までスペイン・バルセロナで世界最大の通信関連イベント「MWC26 Barcelona」が開催された。今年は、会場をバルセロナに移して20 周年目という節目の年でもあった。主催団体であるGSM Assosiationによると、今年の来場者数は207カ国から10万5000人、出展企業数は2900 社を超えた。
イベントは「The IQ Era(IQ 時代)」を総合テーマに、Intelligent Infrastructure、ConnectAI、AI 4Enterprise、AI Nexus、Tech4All、Game Changersと6つのサブテーマに沿って、ネットワーク関連に限らず航空やロボットなど様々な産業の企業が出展を行った。
ネットワークベンダー各社の共通テーマは「AI-RAN」だ。
昨年クローズアップされたOpen RAN(無線アクセスネットワーク)の流れを踏まえつつ、クラウドRANや従来型RANも含めた基盤の上にAIネイティブな無線ネットワークを構築し、リソースの効率化や省力化、さらにはネットワークそのもののインテリジェンス化を図る動きが目立った。
ノキアはエヌビディアと協業して、GPU上でRAN処理とAI推論を同居させるAI-RAN構想を前面に押し出した。同社は、多様な仮想化/クラウド環境で動作可能な「anyRAN」を提唱しており、これをGPUクラウド上で動かしたAI-RANによる5Gコールのデモを実施。それに加え、オーケストレータがAI-RAN基盤上の計算資源を動的に配分し、外部向けAIサービスの処理に転用することで新たな収益源に変えるシナリオも訴求した。

エリクソンは「RAN Automation」を掲げた。マルチベンダー環境のRANを管理・最適化する自動化ソリューション「Intelligent Automation Platform」上のAI-RANアプリケーションでスペクトル効率向上や運用工数削減を示し、AI-ready Massive MIMOやAI-managed Beamformingなど基地局側推論対応AI-RANを打ち出した。

ファーウェイが掲げたのは「AI-Native Network」「All Intelligence」だ。RANからトランスポート、コア、運用まで一体でAI化する構想を提示。RAN AgentやAdaptive Airで端末・アプリ・ネットワーク全体の無線リソースを動的に最適化し、自律ネットワークによりレベル4の自動運用を拡大することをアピールした。
AI-Powered Green Siteやデータセンター向けグリーン電源を展示し、AIワークロードとRANを統合しつつ省エネとCO₂削減を両立するAI時代の基地局像を打ち出した。
