エリクソンは2026年2月25日、KDDIおよびMediaTekと共同で、同社の無線アクセスネットワーク(RAN)を用いたLTM(L1/L2 Triggered Mobility)のフィールド実証実験に成功したと発表した。
LTMは、3GPP Release18で導入された5G-Advancedの新機能。従来レイヤー3で行っていたハンドオーバー処理の一部をレイヤー1(L1)/レイヤー2(L2)で実行する仕組みで、下位レイヤーでのシグナリングを活用することでオーバーヘッドを削減し、セル切り替え時のデータ通信断時間を最小限に抑えることを狙う。
同実証では、従来のレイヤー3モビリティと比較して、セル切り替え時のデータ通信断を25%短縮できることを確認した。また、既存のレイヤー3測定を再利用する設計により、端末側の要件を抑えながら単一トリガーで早期のダウンリンク/アップリンク同期を実現し、多様なデバイスをサポートできるという。

エリクソンは通信事業者向けにソフトウェアパッケージ「5G Advanced Critical IoTサブスクリプション」を提供しており、その一機能として「低遅延モビリティ(Low-latency Mobility)」を用意している。この低遅延モビリティは3GPP標準のLTMをベースとしており、今回実証されたセル切り替え時の中断時間短縮を通じて、ユーザー体験とサービスの継続性を向上させることが期待される。
具体的には、XRやクラウドアプリケーション、没入型ビデオ会議など、移動中でもリアルタイム性が求められるアプリケーションの品質向上に結び付くという。加えて、自律走行や遠隔操作、産業オートメーション、公共安全分野など、タイムクリティカルな用途への適用が想定される。こうした領域では、通信断の抑制が安全リスクや生産停止などの回避にも寄与するとしている。
発表によれば、通信事業者と共同で商用環境下において実施したLTMのフィールド試験は世界初だという。