1FINITY社長・富士通専務の森林氏「3つのワンでグローバルへ 光伝送は大容量化と省エネで差別化」

1FINITY 代表取締役社長CEO 富士通 執行役員専務 ネットワーク&データセンターBG長 森林正彰氏

1FINITY 代表取締役社長CEO 富士通 執行役員専務 ネットワーク&データセンターBG長 森林正彰氏

――昨年9月にNTT西日本の代表取締役社長を辞任され、富士通の執行役員専務に転身されました。どのような経緯があったのでしょうか。

森林 NTT西日本の社長を昨年3月末に辞任し、6月まで籍を置いていました。その間、自身のキャリアについて考えていたところ、富士通からネットワーク事業を担う人材を探しているとのお話をいただきました。ありがたいことに、数社からお声がけいただき、その1社が富士通でした。

――複数の企業からオファーがあったなかで、なぜ富士通を選ばれたのですか。

森林 実際に組織を率いてビジネスを動かせる点が大きな決め手でした。富士通であれば、社外取締役や監査役といった立場ではなく、事業の責任者としてネットワーク事業に関われると考えました。

――今年7月からは、富士通のネットワーク新会社「1FINITY」(ワンフィニティ)の代表取締役社長CEOも兼任されていますね。就任から3カ月弱が経過しました。

森林 1FINITYを立ち上げて以降、かなり注目していただいていると感じています。富士通の100%子会社ではありますが、富士通のネットワーク事業を新会社として切り出したことで、私自身も新たな気持ちで臨んでいます。

社内でも独立心が芽生え、富士通という大きな会社の一部として下支えするというのではなく、自分たちの会社として、「我々が主役になるんだ」と社員に伝えています。

――新会社設立に至った背景と狙いは何でしょうか。

森林 富士通は、フォトニクスやモバイル、ネットワーク仮想化などを中心にネットワーク事業を展開しており、お客様は主に通信事業者やデータセンター(DC)事業者でした。限られたお客様に対して限られた製品を提供するビジネスモデルでしたので、独立した会社として切り出しても違和感のない組織だったのです。

また、富士通のネットワーク事業で培ってきたモノづくりや営業体制に加え、これまで別組織だった研究開発部門や保守・メンテナンス部門も取り込みました。営業から保守までを一気通貫で担える会社を目指しています。

――社名の1FINITYは、富士通の光伝送装置の名前としても使われています。これを社名に採用した理由についてお聞かせください。

森林 会社名を検討する際には様々なアイデアがありましたが、1FINITYシリーズは光伝送装置としてグローバルで広く認知されているということもあり、この名を冠することにしました。

また、1FINITYという社名には、3つの「ワン」の思いを込めています。品質や顧客満足度で「ナンバーワン」になり、自分たちにしか生み出せない「オンリーワン」の製品を提供する。そして、グローバルに展開する「ワンカンパニー」になることを目指します。

現在、社員の多くは日本と米国に在籍していますが、会社を別々に構えるのではなく、1つのグローバル企業として歩んでいきます。

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