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ミリ波CPEの到達性能を確認するため、富士ソフトは同社と共同で国内外の実証検証を進めてきた。
海外ではPegatron社が、3〜10kmのミリ波単独(n257)による長距離伝送試験を実施している。
北米・欧州の郊外エリア、さらには海上での船上試験など、環境雑音の少ない明確なLOS条件が得られる地域を中心に評価し、これまで一般的に語られてきたミリ波の到達性能を大きく上回るスループット結果が得られている。特に海上での10km伝送は、地形による遮蔽や反射の影響を受けない“最良条件での到達可能性”を示す参考値として位置づけられる(図表3・4)。


これらの海外実証で得られた知見を踏まえ、富士ソフトはソフトバンクの協力のもと、国内でもソフトバンクのミリ波スタンドアローン(SA)環境を使用させてもらい、1.2km以下の区間における再現性評価を実施した。
日本特有の建造環境や地形条件が存在する中でも、中距離LOSの500m以下ではDL 2.1Gbps(4CC)・UL 520Mbps、1.2km以下ではDL 2.0Gbps・UL 447Mbpsの高スループット通信が安定して出せており、光回線の代替手段として用いることもできる結果となった。
さらに、端末ログを詳細に解析した結果、HPUE対応CPEでは数km級のLOS環境でもUL送信電力に依然として余力が残っていた点が特筆される。図表5は、基地局からの距離に応じたULスループットとUL送信余力を示したものだ。

これは、従来指摘されてきた「ミリ波は距離が届かない」「ULが先に送信電力不足となり接続維持ができなくなる」といった評価に対し、端末側アプローチ(HPUE)によって実装レベルで改善できる可能性を示すものである。海外の豊富な実証データと国内での再現性確認を組み合わせることで、ミリ波CPEの到達性能に関する信頼性は一層高まっている。
今後は、都市部・郊外・山間部など、国内の多様な地理条件での追加検証を進めることで、より精緻なリンクバジェット評価と設計指針の整理を行い、HPUE対応CPEを活用したミリ波の長距離利用可能性を具体的な導入モデルへと落とし込んでいく予定である。