ミライト・ワンと安藤ハザマは2月2日、トンネル施行における省人化と安全確保の両立を目的として、ローカル5Gの品質検証および低遅延カメラによる映像処理の高速化検証を実施し、いずれの検証も有効性を確認したと発表した。
この検証は、トンネル内の特殊環境下でのローカル5Gの電波伝搬特性と低遅延での高精細映像伝送に与える影響の確認を目的とし、2022年11月19日・20日に北海道新幹線の後志トンネル(天神)他工事の坑内で実施された。
トンネル内にローカル5GおよびWi-Fi6の無線エリアを構築し、双方のスループットなどを比較した。また、遮蔽物あり、なしそれぞれの環境で基地局から移動局の距離に応じた電波伝搬の測定と、低遅延高精細映像の伝送を検証した。
ローカル5Gの品質検証では、ローカル5Gの移動局と基地局間の距離を200m、300m、400mと100m間隔で離し、電波強度、スループット、遅延時間を測定。その結果、電波強度も極端に減衰することはなく、スループット、遅延時間も良好な値が確認できたという。
4K映像の品質確認と低遅延性の確認では、コニカミノルタが開発した低遅延カメラをトンネル内に構築したローカル5G環境に接続し、高精細映像を伝送。カメラと映像を受信、表示するディスプレイが400m離れていても撮影から表示にかかる遅延を100ミリ秒以下に抑え、4Kの高精細映像を伝送できることを確認したとしている。
両社は今回の検証を通じてトンネル施工のDX化に取り組み、効率的で安全性の高いソリューションを実現するとともに、ほかの閉鎖空間での施工にも適用する技術開発に取り組み、2025年の実用化を目指すという。