「5Gで取得できる膨大なデータを有効活用することで、私たちの生活は、さらに豊かなものになっていくでしょう。インテルの半導体・ソフトウェア技術で、この流れをいっそう加速させていきます」
インテル株式会社で執行役員常務 技術本部本部長を務める土岐英秋氏は、日本でもこの春、商用サービスが始まった5Gへの期待をこう語る。
インテル 執行役員常務 技術本部 本部長 土岐英秋氏
実はインテルは、モバイル通信技術の標準化を行っている3GPPにおいて、ネットワークの進化の方向性に関する議論をリードしてきた。2017年にNTTドコモと実施した日本初のコネクテッド・カーのトライアルをはじめ、50以上の5G実証実験を通信事業者と共同実施するなど、5Gの実用化に意欲的に貢献してきた。
PC/サーバー向けの半導体製品を主力とするインテルが5Gに注力する理由は、5Gを「無線だけではない、ネットワーク環境全体の進化」と捉えているからだ。土岐氏は「5Gを触媒にコンピューティングの新たなパラダイムが生まれてきています」と話す。
図表1 5Gインフラの基礎となるネットワーク変革
例えば5G時代には、大量のデータを活用した生産性向上や新たなビジネス創出などが期待されているが、こうした膨大なデータを有効活用するにはAIが不可欠となる。つまり、クラウドの能力向上やクラウドとエッジの機能分担による効率化など、コンピューティング環境にも変革が求められている。
そこでインテルは、データセンター向けのプロセッサー「インテル(R) Xeon(R) スケーラブル・プロセッサー」などの半導体製品と共に、新時代のデータニーズに応えるためのソフトウェア/プラットフォームも開発。オープンソースとして展開することで、半導体製品の新たなマーケットを切り拓こうとしている。